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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 店構えは外国人の勘違いした日本──国会だけじゃない、赤坂にあった“元祖・高級吉野家”の伝説

店構えは外国人の勘違いした日本──国会だけじゃない、赤坂にあった“元祖・高級吉野家”の伝説

 この文章からも、当時の通常の牛丼とはひと味違った高級感があったことがわかる。だが、この「特選吉野家あかさか」がトンデモなかったのは、値段もさることながら、なにか高級感をアピールする方向を間違っていたことだ。

「通常の吉野家とは違う高級そうな深い丼に入った牛丼が、朱塗りのお盆で運ばれてくるし、従業員が絣の着物を着ているし……ちょっとした和食処……いや、ハリウッド映画に出てくる、なんか間違った日本そのまんまだったんです」(田沢氏)

 田沢氏の回想を聞いただけでも、ちょっとやり過ぎた感のある店舗だったのがよくわかる。そして、消費者からの反応も芳しいものではなかった。

「高級さをアピールしても結局は吉野家。今半をはじめとする本当に高級で売る店に太刀打ちができるはずもなかったんです」(同)

 かくて、わずか数年で潰れた赤坂の高級吉野家のことを覚えている人は、もはや少ない。28年の時を超えて、吉野家の高級牛丼は、今度は成功するのか? 野暮なことは言わずに、まずは食してみるべし!
(取材・文=昼間たかし)

最終更新:2013/10/22 21:00
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