ネットショップ市場、ゲーム市場、携帯電話市場を一網打尽に狙う孫正義氏の豪腕ぶり
#ソフトバンク #孫正義
8月31日から9月29日までの1カ月間、ヘビーTwitterユーザーである孫正義氏のツイートが止まった。その間、9月11日のiPhone 5c/5sの発表イベントに加えて、20日の発売日にも姿を見せなかった。ドコモがiPhoneに参入し、起死回生の予想外プランを練っているかと思いきや、結局なし。auとほぼ横並びのプランになった。マスコミがソフトバンク批判を繰り返す中、それでも反論なし。もはや孫氏はiPhoneに飽きたのか? と思ってしまうほどだった。とはいえ、フタを開けてみると、市場の予想に反してソフトバンクの接続率や通信速度はauより少し低く、ドコモよりは明らかに上。自信があったから放っておいたようだ。
9月30日にスマホ冬モデルの発表に関して発言し、ツイート再開。しばらくは業務連絡だったが、ここ数日は冗談や信念を語るなど、元のペースが戻ってきている。行方不明の1カ月間、孫氏は何をしていたのだろうか? 実はその間、3つの市場を一網打尽にするべく暗躍していたのだ。
10月7日、「Yahoo!ショッピング」の出店者イベントに、珍しく孫氏が登場。なんと、ストア出店料と売り上げロイヤルティを10月から完全無料化するという。これは、ネットショップを持つユーザーにとっては朗報。楽天市場の流通規模は2012年が1兆4460億円、Yahoo!ショッピングが3082億円。店舗数は楽天が約4万、Yahoo!ショッピングが約2万となる。孫氏は、2019年までに状況を逆転すると明言。国内最大のECサイトを目指すという。Yahoo!は広告収入のビジネスモデルに転換できるが、楽天市場は難しい。すでにYahoo!ショッピングには申し込みが殺到しているという。Yahoo! BBやソフトバンクモバイルでの手腕を見るまでもなく、成功する可能性は高い。「不毛な値下げ競争が始まった」との批判にも、「不毛ではない。まだ少し残っている」(8日のTwitter)と冗談で返す余裕ぶりだ。
続く15日、ソフトバンクと孫氏の実弟が会長を務めるガンホーは、フィンランドのゲーム会社スーパーセルを1515億円で買収した。孫氏はスーパーセルの取締役に就く予定だ。スーパーセルは2010年に設立された新興ゲーム会社だが、「クラッシュ・オブ・クランズ」や「ヘイ・デイ」といったタイトルのブレークにより一気に勢いづいた。「クラッシュ・オブ・クランズ」は18日現在でも、 Appのゲームカテゴリーのトップセールスで上位5位に入っている。そして、ガンホーは知らない者はいないメガヒットゲーム「パズル&ドラゴンズ」を提供している。この2つのキラーコンテンツを武器に、世界のゲーム市場に打って出るというわけだ。
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