ザ・ブルーハーツ、BOOWY、尾崎豊らが競演した! 史上サイテーのロックフェス『BEATCHILD1987』
#映画 #パンドラ映画館
尾崎、ハウンドドッグらマザーエンタープライズ所属のアーティスト出演パートだけで構成されたテレビ番組が過去にローカル放送されているが、主要アーティストたちをほぼ網羅したバージョンは本作が初となる。バンドの解散や所属事務所の移籍などあり、権利問題をクリアすることが困難なことからDVD化やテレビ放映は予定されていないとのこと。当時、南阿蘇まで辿り着けなかったファンにとっても、会場入りしたものの全ステージを楽しむことができなかった観客にとっても貴重な追体験の場となりそうだ。
トリを務める佐野元春のステージと共に冷たい雨がようやく止み、阿蘇の山麓に朝日が差し込む。夢の宴が終わった後、泥沼と化した会場から難民さながらの姿になった観客たちがぞろぞろと引き揚げていく。その様子をカメラは執拗に延々と映し出す。疲れきった若者たちの重い足取りを、バブル経済崩壊後のズタボロになる日本社会と重ね合わせているのだろうか。いや、ひと晩中、雨に打たれ続けた彼らの体内には泥と乳酸だけでなく、ロックの遺伝子も注入されたはずだ。伝説のロックフェスから四半世紀が過ぎ、タイムカプセルを開けるにはいい時期なのかもしれない。ヒロトの「最高だな、おい!」という笑顔が乾いた胸に染みる。
(文=長野辰次)
LIVEドキュメンタリー『ベイビー大丈夫かっ BEATCHILD1987』
監督/佐藤輝 音楽監督/佐久間正英 出演/ザ・ブルーハーツ、RED WARRIERS、岡村靖幸、白井貴子、ハウンドドッグ、BOOWY、THE STREET SLIDERS、尾崎豊、渡辺美里、佐野元春(出演順) 配給/ライブ・ビューイング・ジャパン、マイシアター 10月26日(土)よりイオンシネマ、TOHOシネマズ、Tジョイほか全国ロードショー (c)BEATCHILD1987製作委員会 <http://www.beatchild.jp>
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