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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.243

ザ・ブルーハーツ、BOOWY、尾崎豊らが競演した! 史上サイテーのロックフェス『BEATCHILD1987』

BEATCHILD1987_1.jpg豪雨の中で決行されたオールナイトイベント「BEATCHILD1987」。ズブ濡れになって歌う尾崎豊の姿に7万人の観客は陶酔し、一体感を覚えた。

 まるでこれから田植えでも始まるかのようなぬかるみ状態の会場。雷鳴まじりで断続的に降り続ける豪雨。ステージ上の機材は浸水のためトラブルの連続。当然ながら出演アーティストの演奏はベストコンディションには程遠いものだった。そんな悪条件ながら、いや最悪の状況だったからこそ、参加者たちの記憶に刻まれたロックライブがあった。フジロックフェスが始まる以前、1987年8月22日に九州の南阿蘇で開かれた「BEATCHILD1987」がそれだ。出演アーティストがあまりにも豪華すぎる。ザ・ブルーハーツ、RED WARRIERS、BOOWY、THE STREET SLIDERS、尾崎豊……。もう2度とありえない顔ぶれが集ったオールナイトイベントだった。LIVEドキュメンタリー『ベイビー大丈夫かっ BEATCHILD1987』は、ロックムーブメントに湧いた80年代の熱気と野外フェスならではの悲惨な状況をそのままタイムカプセルに閉じ込めたレアものの映像記録だ。その封印が26年ぶりに解かれる。

 出演アーティストが発表された時点で、大変な反響を呼んだロックイベントだった。3万人の動員を予定していたイベント会場のアスペクタには、7万2000人もの若者たちが全国から集結した。日本版ウッドストックだと騒がれた。阿蘇山麓の雄大な大草原の中で、さわやかな夜風を感じながら、星空に彩られた夢のロックフェスになるはずだった。だが、山の天候はあまりにも無情だった。夕方6時の開演を前に土砂降りのスコールが降り、ステージ前の客席スペースを濁流が流れる有り様となる。こんな状況でオールナイトイベントができるのだろうか?

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