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親善試合、まさかの連続完封負け! ザッケローニ監督に求められる世界基準の「監督力」

zac1015.jpg『ザッケローニ 新たなる挑戦』(宝島社)

 危惧していたことが現実となった。

 イタリアのクラブを最長3年で退任してきたザッケローニ監督の経歴を考えると、ある意味で中長期的にチームを構築できないといえる。硬い采配が原因でチームに化学反応が起きず、ブレークするような選手も出てこない。

 それは、この欧州遠征での2試合に如実に表れた。11日のセルビア戦は、スタンコヴィッチの引退試合も兼ねており、特殊な試合だったということを考慮できるが、昨日のベラルーシ戦にエクスキューズはない。確かに、ベラルーシ戦の立ち上がりは悪くなかったが、ベラルーシ相手に「立ち上がりは悪くなかった」とかばうのも、いかがなものか。

 そんなベラルーシ戦で、ザック・ジャパンに変化を与えるのは「3-4-3」というフォーメーションであると明白になったが、現状、うまくいっていない。

 いったいザッケローニ監督は、W杯に向け日本代表を進歩させるために、どのようなビジョンを持っているのか?

 「3-4-3」ならば、一か八か感は否めない。2010年に岡田武史監督が掲げた“接近、連続、展開”以上にカオスなのが現状だ。それよりも、選手の成長、それに伴うスターティングメンバーの入れ替えが現実的だろう。だが、長きにわたり同じメンバーでチームを構築してきたこともあり、ニューフェイスの筆頭となっている柿谷曜一朗ですら、いまだチームにフィットしていない。さらにいえば、選手の成長での強化だけを望むならば、ザッケローニ監督である必要もない。

 とはいえ、今すぐザッケローニ監督を解任すべきという話ではない。その半面、「W杯はザッケローニ監督で決定」というような空気には違和感を覚える。是々非々の議論なく、「ほかに監督がいない」一辺倒では、今までの失敗を繰り返すだけである。日本サッカー協会技術委員会が今回の結果をフィードバックしなければ、W杯での成功はない。そもそも、2010年南アフリカW杯とは違うプロセスでW杯に臨むために、ザッケローニ監督を招聘したはずだ。

 歯に衣を着せぬ解説をしてくれる清水秀彦氏は、ザッケローニ監督について、こう指摘している。

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