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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 武田鉄矢が語る、アジア文化論
劇場版『101回目のプロポーズ~SAY YES~』が中国で大ヒット!

武田鉄矢が語る、ユニークすぎるアジア文化論『101回目のプロポーズ』が愛される理由とは?

takedatetsuya02.jpg『お~い!竜馬』の原作者でもある武田鉄矢。「心の師」と仰ぐ坂本竜馬についても熱く語ってくれた。悩んだときは心の中の竜馬に相談するそうだ。

武田 上海ロケで本物に会ったけどさ、本当に腰を抜かしそうなくらいのベッピンさん。ヒール履いたら180センチくらいあるから、僕なんか軽く見下ろされてしまう(笑)。見るからに台湾の財閥のお嬢さんって感じ。実際に政治家の娘さんなんだってね。そんな育ちのいい美女に、いかにもチンタオから上海に出てきましたといった風情のホアン・ボーくんが恋をしてしまう。ホアンくんは志村けんさんの若い頃みたいな雰囲気なんだけど、どう見ても地方出身の労働者顔ですよ。汗まみれで働く男が、絶世の美女と出会い、どうしようもなく恋におちてしまう。そこが国境を越えて、アジア中で愛された要因じゃないかなと僕は思うよ。

──劇場版『101回』はオリジナル版に対するリスペクト感がハンパない。しかも現代の上海で経済格差が生じていることにも触れている理想的なリメイク作品に仕上がっていました。

武田 レスト・チェン監督は台湾出身で、高校生の頃にオリジナル版を見ていてくれたらしいね。「お前、饅頭の食い過ぎだぞ」って言いたくなるような顔なんだけど、すごくシャープな感覚の持ち主。でも、可哀想に周りから「武田鉄矢って、すぐ説教したがる面倒くさい俳優らしいぞ。お前に演出できるのか」みたいに冗談半分で吹き込まれたみたいで、撮影現場で全然近寄ってこないんだよ(苦笑)。離れたところから、「じゃあ、お願いします」って言うだけなの。主演のふたりは逆にすごく熱くて、僕ともっと絡むことで『101回』をただの恋愛ドラマよりもっと深いものにしたいという熱意がすごく伝わってきた。こういう風にこれからも若い人たちが作る作品のお役に立てればいいなぁと思いましたね。まぁ、もうちょっと若ければ、チーリンさんにちょっかい出してたかも知れないけど(笑)。

■“国家”よりも“地域”で物事は考えたほうがいい

──上海というと、『お~い!竜馬』の原作者である武田鉄矢さんにとっては感慨深い地ですよね?

武田 そうなんだよ、『お~い!竜馬』では坂本竜馬が唯一踏んだ海外の地が上海なんだよね。これはまったく史実を無視したフィクションではなく、ちゃんと長州藩に記録が残っているんです。竜馬が土佐藩を脱藩してから徳島までの足取りは分かっているけど、江戸に行くまでの半年間ほど空白期間がある。それもあって、竜馬は上海で高杉晋作に出会うというストーリーを僕は考えたんです。長州藩の記録に高杉晋作が上海に行った記録があって、最後のほうに竜馬の名前も入っているんです。現実的には竜馬が上海に渡航したことは考えにくくて、明治時代になって誰かが手を加えたのではないかと言われているんだけどね。でも、高杉晋作ら幕末の志士たちが上海に足を運んだのは事実。この地で「幕府を倒さないと日本に未来はない」と考えたんだなぁと、そのことは思いましたねぇ。

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