武田鉄矢が語る、ユニークすぎるアジア文化論『101回目のプロポーズ』が愛される理由とは?
#インタビュー
「僕は死にませ~ん!」 武田鉄矢が浅野温子に向かって叫ぶ名ゼリフで知られる『101回目のプロポーズ』(1991年/フジテレビ系)は、テレビ史に残る人気ドラマとして語り継がれている。平均視聴率23.6%、最高視聴率36.7%を記録した一方、「リアリティーがない」「家族背景が描かれていない」といった辛口の批評も当時トレンディードラマを連発していたフジテレビには向けられていた。ところが、だ。このリアリティーのなさが『101回』伝説を海外へと広めることになった。台湾、香港、韓国などで『101回』は度々オンエアされ、2003年にはチェ・ジウ主演の中韓合作によるリメイク版が作られるなど大人気を博した。家族のしがらみに縛られることのない主人公たちの自由な恋愛観が、自由化・民主化が進みつつあったアジア各国で支持されたのだ。
さらに時間が流れ、『101回』に胸を躍らせた若い世代から映像クリエイターたちが育った2013年、上海を舞台にした劇場版『101回目のプロポーズ~SAY YES~』が完成した。全12話あったオリジナル版のエッセンスを106分に凝縮したこの劇場版は、中国で観客動員660万人を越える大ヒットに。そして10月19日(土)より日本での“里帰り”公開が決まった。フジテレビでの放送から22年が経過した今も、『101回』がアジアでこれだけ根強く愛されているのは何故か? オリジナル版で主人公・星野達郎を演じ、劇場版でも若い主人公たちの背中を押すキーマンを演じた武田鉄矢“先生”にご登場願おう。
──劇場版『101回目のプロポーズ~SAY YES~』は今年2月に中国で公開され、660万人動員、興収30億円の大ヒット。オリジナル版と劇場版に出演された武田さんは人気の秘密をどう見ていますか?
武田鉄矢(以下、武田) フジテレビのえらい人たちをそこに並べてさ、説教せんといかんよね(笑)。「作るんだったら、こんなドラマを作れよ」とね。『101回』はそれこそアジア的な大ヒットドラマになったわけでしょ? なぜヒットしたのか、テレビ局とあろうものがちゃんと分析しないでどうするの。捜査線ばっかり張ってないでさ(笑)。でも、そういうことでしょ。捜査線が他の国には広まらないということは、捜査事情は国によって異なるということですよね。その点、『101回』は非常にアジア的だった。例えるなら麺類みたいなものじゃないかな。同じ麺類でも、ベトナムではフォー、日本では冷やし中華、北朝鮮では冷麺……と麺と具材の組み合わせ方で、いろんな麺料理が根づいている。
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