「まだ口に出していない秘密があるはず……」“闇の帝王”許永中出所で、政・財界人が震え上がる!?
#出版 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
週刊文春が、東京五輪招致や主権回復の日など、安倍首相の“皇室利用”が過ぎるのではないかという特集を組んでいる。これが今週の第1位。
06年に富田朝彦元宮内庁長官(故人)の手帳や日記の存在をスクープし、新聞協会賞を受賞した日本経済新聞の井上亮編集委員がこう解説している。
「今回の久子さまのIOC総会参加は、皇室を長年取材してきたベテランの記者は皆おかしいと思っています。憲法四条に『天皇は、国政に関する機能を有しない』と定められていますが、これは天皇陛下だけでなく他の皇族にも適用されます。そもそも、戦後皇室の象徴天皇制は『公平』を一番大切な不文律としてきました。国論が分かれるようなことや、利害関係が分かれるようなことには関与しないことを旨としてきたのです。宮家とはいえ久子さまがあの場に出られるなら、今度は皇太子殿下も、となりかねません。今回の一件を天皇陛下は相当憂慮されているのは間違いありません」
9月2日の記者会見で風岡典之宮内庁長官が、IOC総会での久子さまの出席を『苦渋の決断として、受け入れた』と語ったのは、天皇陛下のお気持ちを代弁したものだと宮内庁担当記者も語っている。
それに対して、菅義偉官房長官は「違和感を覚える」と批判した。だが井上氏は今年4月28日の主権回復式典でも一悶着あったという。
「主権回復式典に陛下の出席を促したのも、安倍政権の露骨な政治利用でした。(その日に主権回復をしていない)沖縄で反対運動があるのに、天皇陛下を引っ張り出してしまった。今回の久子さまの一件もそうですが、安倍政権の皇室利用の仕方は、行き過ぎではないかと思います」
こうした批判があるにもかかわらず、安倍首相は宮内庁“改革”も企んでいると、安倍首相に近い関係者はこんな秘話を明かしている。
「実は、第一次安倍政権の時に当時の羽毛田宮内庁長官を更迭しようと考えたことがありましたが、実現しませんでした。宮内庁ではまずナンバーツーの次長がブラックボックスの中で選ばれ、次長経験者が長官に上がるのが不文律になっている。今回、日銀総裁や内閣法制局長官の人事で霞ヶ関の不文律をぶっ壊した安倍首相にとっても、宮内庁だけは簡単に手が出せないのです。それでも、安倍首相はTPPや集団的自衛権などの懸案を処理した後、宮内庁の問題にも手をつけていこうと考えているのです」
今上陛下は即位後朝見の儀で「日本国憲法を守り、これに従って責務を果たす」と述べている。従って、その憲法を改正しようともくろんでいる安倍首相には批判的だと思うのだが、安倍首相は気が付いていないようである。
(文=元木昌彦)
●もとき・まさひこ
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。
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