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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 松尾スズキがクドカンに嫉妬

『あまちゃん』大ヒットの陰で“クドカンの師匠”松尾スズキの嫉妬とぼやきが止まらない

 本谷は弟子筋といっても、大人計画に所属していたわけではなく、松尾が講師を務めていた演劇学校の授業に参加していた程度。それでこの怒りようなのだから、確かに今回、宮藤への“黒い感情”がめらめらと燃え上がっていても不思議はない。何しろ、今もサブカル、マニアック枠にとどまっている松尾に対して、宮藤はNHKの朝ドラという国民的な枠で一般ウケしないはずのギャグや小ネタを織り交ぜながら高視聴率を叩き出し、週刊誌では「松尾スズキらクドカンファミリー」と書かれてしまうほど、立場が逆転してしまっているのだ。

 実は、松尾の『人生に座右の銘はいらない』には、当の宮藤からも質問が寄せられている。今から5~6年前に松尾へTENGAの差し入れがあり、宮藤もそれをもらうことになった時のこと。宮藤はTENGAの騎乗位タイプをチョイスしたのだが、その際、「ああ、宮藤は騎乗位だよね」と松尾に言われ、宮藤は「それ以来、騎乗位を避けるようになりました」という。「いったい俺の、どこが騎乗位なんでしょう」……これが、宮藤の松尾への質問内容だ。

 なんとも他愛のない話だが、しかし、これに対する松尾の回答がじわじわと怖い。「それは、宮藤くんの人生が、受けから攻めに代わるタイミングとリンクしちゃったのかもしれませんね」と、宮藤の活躍ぶりを皮肉ったような発言をしたかと思うと、「しかし、宮藤は本当にTENGA話が好きだよね」と妙な距離感を漂わせて回答を締めくくる。

 しかも、この本、ほかにも恨み節のオンパレードだ。「俺みたいに、作品や演技にギャグを入れないと気がすまない性分の人間は、日本では賞的なものとほとんど無縁です」と、演劇界で評価されない実情にもぼやきを炸裂させたかと思えば、「明らかに自分よりレベルの低い作家」が、ただシリアスな作風というだけで“いい賞”を獲り、高額賞金を受け取っていることを“イライラする現実”と言い切り、「人を笑わせるという技術を評価してくれる評論家なんて、ほぼいません」とぼやき続ける。

 もっとも、こうしたルサンチマンをネタに変えてゆくことこそが、松尾の持ち味。ここは一つ、松尾のさらなる飛翔のためにも、師弟対決を実現させるべく、誰か松尾にテレビドラマの脚本を依頼してほしいところだ。宮藤への嫉妬がマックスとなっているであろう、今の“クドカンファミリーの”松尾なら、とんでもない作品を書いてくれるかもしれない。

最終更新:2013/09/26 15:00
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