HIROの手腕と物語性が人気の理由!? リーダー勇退の今だからこそ考えるEXILE論!
#音楽 #EXILE
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今回「サイゾーpremium」から紹介する記事は、現在全国ツアー中のEXILE大特集。先日のナゴヤドーム公演にはナインティナインの岡村隆史がサプライズで登場し、2年ぶりに「オカザイル」が復活して話題にもなりました。そして、いよいよ今月27日がEXILEリーダーHIROのラストライブ。そこで、この機会にいま一度”EXILE”について考察してみようではありませんか。
全員黒くてメンバーの見分けがつかない? 大丈夫、これを読めばそんなアナタもEXILEの魅力の一端がつかめるはずです。
■今回のピックアップ記事
『ついに最終章!? EXILEの異常な人気ぶりとその裏側』(2009年5月号特集『EXILE大人気のナゾに迫る!』より)
──ジャニタレみたいにイケメンでもなければ、若くもないのに、なぜか今、若い女性を中心に絶大な支持を得ているEXILE。この人気の背景には、一体何があるのだろうか?
08年末、念願だった日本レコード大賞の大賞に輝くなど、この年、計15の栄冠を勝ち取り、国民的音楽グループへと成長したEXILE。同年は”パーフェクトイヤー”と銘打ち、ベストアルバム3枚の累計販売数が415万枚を突破、5大ドームツアーで40万人の動員を記録したほか、自らを「総合エンターテインメント集団」と位置づけて「劇団EXILE」の第2回公演、「月刊EXILE」の創刊、アニメ『エグザムライ』の制作に本格的に乗り出すなど、その勢いはとどまるところを知らない。
そんな中、3月1日にEXILEの弟分的グループ「J Soul Brothers」(EXILEの前身であるJ Soul Brothersの名前を受け継いだ、事実上2代目)のメンバー7人を吸収し、新たに14人編成で活動することが発表された。こうしたモー娘。的な増員を受けて、所属レコード会社エイベックス(レーベルはリズムゾーン)の松浦勝人社長のブログが、「悲しくてEXILEの曲が聴けません。元のEXILEに戻してください」「J Soulを返せ」といった反対派ファンの書き込みによって大炎上したことは、記憶に新しい。
「増員の意図としては、『自身の引き際を考えての第一歩』とリーダーのHIROが語っています。次の若い世代に夢を与え続けるべく、EXILEを永く存続させるための判断だったと。HIROはもう39歳ですし、パフォーマー(ダンサー)の平均年齢は33・8歳ですからね。過去、TAKAHIROやAKIRAが途中加入したときもファンの反発があったので、今回も本人たちはある程度覚悟していたようです。ただ、読みが甘かった。発表直後は鬼のようにメディアに出まくり、”火消し”に奔走していましたね。今回の件で、一時的にファン離れも起こっていると聞きます」(音楽業界関係者)
■インテリヤンキー HIROのやり手ぶり
そもそもEXILEは、90年代初めに「Choo Choo TRAIN」で一世を風靡したダンスグループ・ZOOの元メンバーであるHIROが、「再び武道館に立ちたい!」という信念のもと、01年に誕生させた(前身は初代J Soul Brothers)。当初はATSUSHI、SHUNのヴォーカル2人と、HIRO、MATSU、USA、MAKIDAIのパフォーマー4人だったが、06年3月にSHUNが脱退。その後、パフォーマーのAKIRAとヴォーカルのTAKAHIRO(オーディションで1万人の中から選出)が新たに加わり、7人で再スタートを切った。今では、それぞれが役者やDJ、デザイナーなどソロ活動もしている。ちなみに、SHUNがいた時期までを「第一章」、それ以降を「第二章」とメンバーは呼んでいる。
そして、07年には『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ)の企画での、ナインティナイン岡村隆史との期間限定ユニット〝オカザイル〟が話題となり、お茶の間での認知度もアップ。「オカザイル効果で公式携帯サイト『EXILE mobile』の会員が急増し、今では40万人以上もの会員を抱える」(音楽雑誌編集者)という。
「浜崎あゆみや倖田來未の不調、大型新人・GIRL NEXT DOORへの莫大な初期投資もあり、昨年、エイベックスは倒産寸前の状態にあったそうです。その窮地を救ったのが、EXILEの躍進だった。その年、彼らがベストアルバムを異例の3枚もリリースしたのも、エイベックス側の都合があったと聞きます。売れない時代を支えたHIROの恩人で、EXILEが所属する会社LDH(Love+Dream+Happinessの意味。社長はHIRO)の会長でもある松浦社長の頼みとあっては、断れないですから。ただ、エイベックスとしても、なぜ彼らがここまでの人気を獲得したのかきちんと把握できていないようで、最近になって慌てて調査し始めているとか(笑)」(芸能プロマネージャー)
エイベックスでさえこうなのだから、本誌読者に至ってはなぜ彼らがこれ程までに人気なのか、サッパリだろう。
では一体、どんなファンが支えているのか? 前出・業界関係者が語る。
「ほかの男性アーティストに比べて男性ファンの比率は高いものの、10~20代半ばの女性が多いようですよ。特に地方のヤンキー層から支持されているようです。音楽業界では”地方のヤンキーに受け入れられないと、ミリオンヒットは出せない”というのが定説で、浜崎あゆみなんかもその例ですね。実際、コンサートのチケットも、都内より地方公演のほうが早く完売しているとか。公式ツアーグッズも、ヤンキー仕様のデザインにしていると聞いたことがありますね。一説には、グッズの総売り上げが13~14億円といわれていますから、相当なものですよ」
また、芸能評論家の宝泉薫氏も、「田舎のガテン系ヤンキーやアベックが支持しているのではないか」と分析する。
「ヤンキーは『ビッグになる!』的なサクセスストーリーが好きなので、そういう”物語”を自ら作り出しているEXILEに共感するのでしょう。また、ヤンキーは常に自分の力を誇示する傾向があります。今回の増員に関する報道もそうでしたが、HIROが日刊スポーツのようなオヤジ向け媒体でも連載を展開するなど、メディアを使って自ら話題性をゴリ押しし、自分たちがいかにビッグな存在であるかをアピールする姿勢なんかを見ると、メンバー本人たちもヤンキー気質が高いと思いますね。ファンとしては、”パーフェクトイヤー”だの”エグザイルジェネレーション(09年に掲げているスローガン)”だの、今まではファンの間でしか共有されていなかったEXILEの世界観がどんどん一般的に広がっていくことが、きっとうれしくてしょうがないはずです。『自分たちが応援しているEXILEは、こんなにスゴいんだぞ!』みたいに、偉大さを誇示できるわけですから。そういうファン心理までも計算しているリーダーのHIROは、かなりやり手の”インテリヤンキー”だと思いますよ」
実際、HIROはビジネスマンとしても評価が高く、03年に設立したLDH(前身は、その1年ほど前に初期メンバー6人で出資して立ち上げた、有限会社エグザイル・エンターテインメント。当初は従業員数8名)は、「ここ2年間で社員数が2倍に増え、いまや100人以上にまで成長した」(前出・マネージャー)という。冒頭に挙げたもの以外にも、ダンス・ヴォーカルスクール「EXPG」や、「GOLD24karats Diggers」などのアパレルブランドを展開したりと、同社の業務は多岐にわたる。
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