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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 漫画家・清野とおるインタビュー
全っっっっっ然知らない街でおしゃべりしてみたものの……

「僕は、街に対しては基本ドMなんです」赤羽漫画家×犯罪ジャーナリストの異色対談【前編】

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 東京都北区にある「赤羽」を舞台にした異色のノンフィクション漫画、『東京都北区赤羽』(Bbmfマガジン)や『ウヒョッ!東京都北区赤羽』(双葉社)が人気を集めている。一説によれば、赤羽では『ONE PIECE』より売れているというから驚きだ。

 その作者である清野とおる氏が、これまで赤羽で培った、奇人や珍妙な店を引き寄せる力をもって、まったく知らない街を取材した新刊『全っっっっっ然知らない街を歩いてみたものの』(大洋図書)を上梓した。その刊行を記念して、裏社会を取材しながら国内外の危険な街を徘徊し続ける犯罪ジャーナリストの丸山ゴンザレス氏を迎え、2人で全っっっっっ然知らない街を歩いて対談することに。果たして、どんな展開を見せるのか!?

 「街歩き」をキーワードにする2人が訪れたのは、足立区の谷在家(やざいけ)だった。ところが、待ち合わせ時間になっても丸山氏が現れない。いら立ちを隠せない清野氏をよそに、時間だけが経過する。

 30分後……

丸山ゴンザレス氏(以下、丸山) すいませーん。来たことない街だったので……遅刻しちゃった。

清野とおる氏(以下、清野) 全っっっっっ然気にしないでください。

丸山 で、どこ行くの?

清野 それを今探していたんですよ……ここなんてどうですか? (駅前の地図を指さしながら、なにやら候補地を選別する清野氏)

丸山 喫茶○○ですか……よさそうな名前ですね。

清野 ニオイますよね。

丸山 ええ、確実にニオってきますね。

 「なんもねーな」「ただの住宅地」と暴言にも似た無駄話をしながら、谷在家の街を歩く両氏。十数分後に喫茶○○に到着し、対談開始となった。

■なぜ赤羽を出て、知らない街を描いたのか?

丸山 早速で恐縮ですが、この店ってなんかニオイませんか……トイレ臭いっていうか、なんというか。

清野 確かに、ちょっとニオイますけど……

丸山 まあいいや。では本題に入りますね。新刊の『全っっっっっ然知らない街を歩いてみたものの』(以下、『知らない街』)は、どのような本なのでしょうか?

清野 本題への入り方がなんとも……とりあえず、どこかに行くときって、大抵は最初に明確な目的地を設定して、ネットでおいしい店とか調べてから出かけるじゃないですか。でも、それだと刺激がないので、本当に全然知らない街を適当に設定して、行き当たりばったりで歩く。目的のないことを目的に設定した軌跡をまとめた本ですね。

丸山 いきなり本題になってしまいますが、なんでも事前にネットで調べてから出かけるという風潮へのアンチテーゼもあるのでしょうか?

清野 別にアンチってほどではないのですが。以前に書いた『東京都北区赤羽』(以下、『赤羽』)や『ウヒョッ!東京都北区赤羽』でもそうなんですけど、基本的に僕は、ネットではあまり調べないようにしてるんですよ。
 

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