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国家の痛いトコを取材したら逮捕される?「秘密保全法」の盛り上がらなさがヤバい!

 8月後半になり、政府は秘密保全法の概要をようやく明らかにした。この中で、町村信孝元官房長官は記者団に対して「正常な取材活動は問題ない」と発言している。しかし、いったい何が「正常な取材活動」に当たるのかは、明示されない。ともすれば、大手報道機関がやるのは正常だが、日刊サイゾーのような新興メディアやフリーランスはNGということも想定できる。

「報道を除外するのは想定の範囲。新聞各紙は秘密保全法が“知る権利を奪う”と批判していましたが、読売新聞なんかは、ここで妥協しちゃうんじゃないでしょうか」(政治部記者)

 表現の自由の問題に詳しい上智大学教授の田島泰彦氏は、たとえ報道除外規定が設けられても、まったく無意味だと指摘する。

「情報の漏洩に対しては、最高で懲役10年の厳罰が科せられます。そうなると、いくら報道は除外しているといっても、情報源になる人はいないでしょう」

 この法律ができれば、国民が知ることのできる情報が次第に減少していくのは間違いない。しかし、肝心の国民の側には危機感はまったくない。ある新聞記者は語る。

「児童ポルノ法の問題を記事にすると、オタクから反応があるじゃないですか。でも、秘密保全法は、まったく誰からも反応がないのです。それは、やはり国民の日常生活にどのような影響を及ぼすか、シミュレーションしにくいからです」

 知る権利が制限されるとは、どういうことか? その危機感が国民に伝わることのないまま、法律だけは出来上がろうとしている。
(取材・文=昼間たかし)

最終更新:2013/09/06 18:00
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