汚染水地獄に、首都直下型地震の可能性も……2020年五輪東京開催は茨の道
#出版 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
「圭子はもともと麻雀や競馬もしていましたが、お金には無頓着でした。カジノで五億円を散財するみたいな異常な使い方をしていると聞いたとき、圭子はお金に復讐をしているのではないかと感じました。人間を狂わせ、愛娘のヒカルを遠ざけてしまったもの。そのお金を無駄に使うことで、ヒカルちゃんを母親へと振り向かせたかった。そんな思いがあったのではないでしょうか」
娘・ヒカルも結婚・離婚を経験し、3年前に母親同様、突然無期限の音楽活動休止を宣言し、今は8歳年上の福田天人氏とロンドンに暮らしているという。
「二人が同棲を始めてからのことです。ある夜、突然、藤さんがいらっしゃったんだそうです」と語るのは福田氏の祖母である。
恋人の母親の急な来訪。当然、福田氏は驚いた。そんな彼の困惑をよそに、こう藤は告げたそうだ。
「娘を、よろしくお願いします」
これだけ言うと、藤は帰っていった。
藤圭子の家系は目が弱く、母親も盲目で長年付き人と生活を共にしていた。兄の三郎氏も加齢とともに視力が弱くなったといい、藤圭子も同様だった。宇多田ヒカルの『光』という名前は、圭子が娘の目にいつまでも光があるようにとの願いを込めて付けたものだという。
三郎氏の宇多田氏を恨む口調は弱まることがない。
「彼が苦しむ圭子の傍らに最後までいてくれた人間だったら私は何も言いません。でも離婚して、娘とも会えず、圭子は孤独と絶望の淵に追いやられていた。そして死んでもなお、彼女は孤独のままなのです。
宇多田君は藤圭子を四十年来応援してきた後援者の前で彼女のことを説明できるのか。天国のおふくろに顔向け出来るのでしょうか。そして、亡くなった圭子の顔をまともに見ることができたのでしょうか。彼には真実を話して欲しい。このままでは圭子は成仏できません──」
藤圭子が誰にも知られず西新宿で過ごしていた日々。ある知人は彼女のこんな言葉を聞いて、絶句したという。
「日本は自由に見えるけど、厚いガラスの壁に囲まれた国よ。寂しい。毎日が辛い。誰も話す人がいないの」
命までもと好いた男に捨てられても、京都から博多まで追っていく“バカな女”の怨み節は、他人から押し付けられた「借り着」だったのだろう。それを脱ぎ捨てたくてアメリカまで逃げていったのに、彼女が普通の女に戻ることは叶わなかった。
娘の歌手としての成功は、彼女の中にかつての“悪夢”を甦らせたのかもしれない。そんな自分と葛藤している間に夫と娘は離れていってしまった。
さすらい流れた果てに、彼女は新宿へ戻ってきて自死を選んだ。娘・ヒカルが藤の亡骸と対面したのは彼女の死から6日後である。ヒカルは自分のブログにこう書いた。
「彼女の最後の行為は、あまりに悲しく、後悔の念が募るばかりです」
“彼女”といういい方が二人の距離を表しているようで、哀れである。
9月7日(日本時間8日の朝)に2020年のオリンピック開催国が決まる。それを各誌取り上げているが、内容的には五十歩百歩である。
ポストによれば現在の「票読み」はこうなっているという。
「●東京…東アジア、オセアニアを中心とした約3割前後 ●マドリード…欧州と南米を中心とした約4割強 ●イスタンブール…北アフリカや中東などイスラム圏を中心に約2割強」
1回目の投票で過半数を取る国はないだろうから、東京としては2・3位連合を画策して、招致を決めたいと、猪瀬都知事ばかりでなく、安倍首相も精力的に動いているようだ。
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