新旧アニメソングのパワーを再確認!「アニサマ2013」全日リポート
#イベント
■問答無用のヒットチューンが連発! 3三日目
「アニソン&声優ソング ヒットパレード in 2012~2013」
アニサマ3日目を例えるならば、そんなところだろうか。
宮野真守、水樹奈々という声優界のツートップのコラボでスタートした3日目。本編の一番手は、12年、13年と電波な主題歌でアニソン界の話題を席巻したアニメ『這いよれ! ニャル子さん』シリーズの主題歌を歌う声優ユニット「後ろから這いより隊G」だ。「太陽曰く燃えよカオス」「恋は渾沌の隷也」とヒットナンバーを連発すると、フロアからは「うー!にゃー!」「SAN値!ピンチ!」の合唱がスタート! 驚異の一体感がさいたまスーパーアリーナを包み込んだ。
その後も、ゆいかおり、鈴村健一、小松未可子、日笠陽子ら人気声優や、いとうかなこといった人気シンガーが続々登場。
この盛り上がりは、『ジョジョの奇妙な冒険』第1部OPテーマを歌った富永TOMMY弘明の登場で、最高潮に達する。王道のヒーローアニメソングを思わせる疾走感あふれるサウンドと、ソウルフルな富永のボーカルが冴えわたる中、曲クライマックスでは観客全員を巻き込んだ「ジョオオオオォォォォォォジョオオ!」の大合唱が発生。「誰もが知っている」アニメソングを「みんなで歌う」感動と興奮に、誰もが酔いしれた。
ゲーム『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズから生まれた「平均年齢36歳」(一十木音也役・寺島拓篤のMCより)の男性アイドル声優ユニット「ST☆RISH」が登場した辺りから、グランドフィナーレに向けて会場の熱気はさらに上昇し始める。爆音と共にST☆RISHが登場すると、「こんなに会場に女性がいたの!?」と思うほど、かつてない黄色い歓声が響きわたる。
そんな彼らは、「マジLOVE2000%」「マジLOVE1000% -RAINBOW STAR ver-」を披露。先日テレビ放送を終えたばかりのアニメ第2期最終話を思わせる粋なセットリストに、いつしか女性のみならず男性客もノリノリに! さらに畳み掛けるように喜多村英梨、南里侑香、宮野真守、スフィア(豊崎愛生、戸松遥、寿美菜子、高垣彩陽による女性声優ユニット)と人気声優が続々登場。
この盛り上がりがピークに到達したのが、ゆかり王国のお姫様にして永遠の17歳・田村ゆかりのステージだ。彼女が登場すると、会場のサイリュームはたちまちピンク一色に! 彼女がしゃべれば、「ゆかりーん!」「ゆか!ゆかーーーーー!」と王国民(田村ゆかりのファンのこと)が声を張り上げる! 彼女が歌うと、リズムに合わせて観客も一斉にジャンプ!(そして、さいたまスーパーアリーナが揺れる!) とにかく、会場の一体感がハンパない。ゆかり王国、今年もさいたまスーパーアリーナを完全制圧である。
アニサマ2013の大トリを務めたのは、もちろんアニソン界のトップシンガー・水樹奈々だ。雄大なスローバラード「愛の星」(劇場版『宇宙戦艦ヤマト2199 第七章』ED)で、フロアを一旦クールダウンさせた彼女は、ここからラストに向けて「Vitalization」「Synchrogazer」と、『戦姫絶唱シンフォギア』シリーズの主題歌を立て続けに披露。ツインドラムがズンズンと刻む力強い音圧と、ストリングスによるシンフォニックな旋律が、ドラマティックなサウンドスケープを描き出す。その中でも水樹のボーカルは、凛と響きわたり、大きな存在感を示す。どんな楽曲、どんなサウンドの中にあっても決して埋もれることのないワン・アンド・オンリーな彼女のアクトは、アニソン界を背負って立つ歌姫としての自信に満ちあふれていた。
かくして各日およそ5時間。累計15時間に及んだアニサマ2013は、連日2万7000人のオーディエンスの声援に支えられながら見事フィナーレを迎えた。
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個人的に印象深かったのが、初日、ももクロから次の「アイドルマスターシンデレラガールズ」へのつなぎである。「今何時?」と、ももクロが話題を振ると、ステージ上のスクリーンに11時55分を指す時計が出現。やがて時計の針が12時を指すと、間髪入れずにアイドルマスターシンデレラガールズが登場したのだ。「シンデレラ」というネーミングにひっかけたネタなわけだが、今回のアニサマはこんな具合に幕間の演出にも強いこだわりが感じられる場面が頻出していたような印象を受ける。
そのほか、場面転換の際に、各アーティストのワンマンライブで使用されているSEや映像を多く取り入れていた点も素晴らしかった。そのおかげで、まるで各アーティストのワンマンライブを立て続けに見たかのような(実際には、2~3曲のステージなのだが)充実感を得ることができたのは、筆者だけではないだろう。
各日ともそれぞれ明確にテーマを打ち出し、「新旧のアニメソング」のパワーを再確認しつつ、各アーティストの魅力を限界まで引き出した今年のアニサマは、今後の同イベントにおける新たなスタンダードとなることだろう。終演後、来年も8月29~31日にかけて、同会場でアニサマ2014が開催されることが発表されたが、今年以上に熱いライブが炸裂することは間違いない。そんな確信と期待を覚えずにはいられない、最高の3日間であった。
(取材・文=有田俊)
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