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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 土屋アンナ騒動と「原作」問題

「土屋アンナ騒動だけじゃない!」テレビ局もトラブルだらけ……“原作”と“原案”の違いって?

 さらに、映像化される前にこじれ、テレビ局VS版元で訴訟になったケースもある。12年に起こった、NHKがドラマ化しようと動いていた、直木賞作家・辻村深月の『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』(講談社)の問題だ。こちらは脚本準備稿に対し、講談社が原作に沿うようにとNHK側に脚本の修正を要望。しかし、ドラマ製作サイドは原作からの改変を求め、両者の意見は平行線の状態に。ついには撮影開始の前日に講談社が映像化の許諾を撤回したことで、NHKは約6,000万円の損害賠償請求訴訟を起こすまでに至ってしまった。

 ずさんなのはテレビ局だけではない。98年に放送された『奇跡の人』(日本テレビ系)では、版元の角川書店がなんと作者である真保裕一に許可を得ぬままドラマ化を許諾。真保はスポットCMでドラマ化されることを初めて知ったといい、当然のことながら大激怒。版権を新潮社に移すという手段に打って出たケースも過去にはあった。

 このように、「原作者が口を出すとうまくいかない」といわんばかりに、原作者がワガママ・悪者扱いされることも少なくない。よほどの大物作家でもない限りドラマ化にはほとんど意見できないケースも多く、仲介する立場である出版社も映像化実現に漕ぎ着けたいことから、作家は編集者から製作者側と同じように「原作と映像は別物」と説得されることもあるという。

 土屋アンナの今回の騒動では、原案者に対して監督の甲斐智陽氏が「舞台化してやっている」意識があるのでは? と批判されているが、これではテレビ局や版元も同じ穴のムジナではないだろうか。

最終更新:2013/08/26 12:00
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