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日刊サイゾー トップ > 社会  > ロマンあふれる発掘調査……墓泥棒よりも怖いモノとは?

ロマンあふれる発掘調査……墓泥棒よりも怖いモノとは?

 吹きっさらしの冬の発掘調査の現場は寒いのが当たり前。そのため、昼頃まで誰も気づかなかったのだとか。ほかにも、ある現場では仮設トイレが丸ごと姿を消していたこともあったという。このように備品が盗まれる例は後を絶たないが、発掘現場から出土した土器や石器が盗まれることはまれだという。

「発掘現場では、ブルーシートを敷いて養生するんです。時々、夜中に誰かがシートをめくった跡があることもありますが、出土した遺物がなくなることはまずありませんね。さすがに土器のカケラなんかに価値はないことは、誰でもわかっているみたいですね」

 むしろ、発掘した遺物が行方不明になるのは、発掘作業を終えて整理をしている段階だという。

「土器や石器は、水洗いして番号を記入してから図面に起こしたり記録を取っていくんですが、怖いのは水洗いをして番号を記入するまでの間です。水洗いをして乾かしている時にごちゃまぜになってしまって、どれがどこから出土したものか、わからなくなってしまうこともあります」

 東京都の文化財に指定されているある遺跡では、この結果、貴重な遺物がどこから出土したものかわからなくなってしまい、大問題になったこともあるとか。通常の発掘調査で怖いのは、泥棒よりも作業のお粗末さということか。
(取材・文=昼間たかし)

最終更新:2013/08/23 18:00
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