週刊アニメ時評 第53回
キャッキャウフフと見せかけ、意外と骨太!『ステラ女学院高等科C3部』が急展開
2013/08/20 19:30
#アニメ #アニメ時評
エースである先輩に勝てたことを純粋に喜ぶゆらと、ただ勝利の美酒の味のみを求める彼女を危惧するそのら。回を追うごとに、ゆらの持つ危うさは増していくように見えます(しかし、ゆらはそれを自覚してはいません)。
それまで、他者に認めてもらうことがなかったゆら。そんな彼女にとってサバゲーとは、初めて見つけた「自分が主役になれる」世界なのでしょう。劇中のゆらは、際限なく肥大化していく自己承認欲求に憑りつかれているかのようです。そんなゆらの無鉄砲さは、7話において、ついにそのらのケガ、そして入院という形で目に見える形で悪影響を及ぼし始めます。この一件に責任を感じてしまったゆらは、そのらの代わりになるべく孤軍奮闘。C3部のスパルタ教育を開始します。
しかし、責任感のあまりにゲームの勝利以外に価値を見出そうとしないゆらと、サバゲーを楽しみたいほかの部員との間でも徐々にすれ違いが生まれつつあるような……。今後の展開に一抹の不安を感じずにはいられません。果たしてゆらは、このまま勝利のみを追求するサバゲーの鬼になるのか? はたまた、仲間と共にサバゲーを楽しむ気持ちを取り戻すことができるのでしょうか?
単純にサバゲーの楽しさや、才能を発揮していくゆらのサクセスストーリーだけではなく、その裏にはらむ少女のダークサイドも隠すことなく描く『ステラ女学院高等科C3部』は、ポップなビジュアルとは裏腹にかなり骨太なテーマを内包しているのです。思わぬところでハラハラする展開になってきた同作から、今後も目が離せません!
(文=龍崎珠樹)
最終更新:2013/08/20 19:30
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