日本領事館も注意喚起! インフレ中国で流行する「タクシー毒ガス強盗」
#中国
日本で「タクシー強盗」といえば、乗客が運転手を襲うものと相場が決まっているが、所変わればなんとやら。中国では、運転手が客を襲う「逆タクシー強盗」も頻発している。
そんな中、在広州日本国総領事館もホームページに掲載された、在留邦人からのある被害報告が、現地日本人社会を不安に陥れている。
「本年4月頃(夕方)、東莞市内から東莞総駅に向かうタクシーに乗車したところ、車内に煙のようなものが漂っており、異臭を感じた後、意識が朦朧としてきた。降車する際、運転手の言われるままの金額を支払ってしまった。その後、本年7月に中国人の友人が同様の被害に遭った旨を聞いた」
ぼったくり程度ならまだしも、毒ガス攻撃となると穏やかではない。同市に隣接する、広東省深セン市在住の日系企業勤務の男性も、あわや同様の手口による被害者となりかけたという。
「夕方、深セン市の鉄道駅から帰宅するためにタクシーを拾ったんです。乗り込んで行き先を運転手に告げている際に、座席の下から白い煙のようなものが上がっていることに気がついたんです。臭いなどは感じませんでしたが、息を吸い込むと頭がクラクラしました。中国では車の爆発事故も頻発しているので身の危険を感じた私は、『煙が出ているぞ』と運転手に伝え、車を降りました。しかしそのタクシーは、そのまま立ち去った。今思えば、まさに領事館が注意喚起している手口だったんです。白タクに乗って犯罪に巻き込まれる話はよく聞きますが、その時私が乗ったのは正規のタクシーでした」
広東省ブロック紙の社会部記者は、タクシー運転手による犯罪が増加している背景についてこう話す。
「最近中国では、インフレの進行などにより、副業としてモグリでタクシー運転手になる者が激増している。タクシーの車内に掲げられている運転手のIDの写真と、実際の運転手の顔が違うことがよくあるが、これは、正規の運転手が会社から支給された車両をモグリの運転手に又貸ししているから。そんななか、白タクだけでなく、モグリのタクシー運転手による強盗事件も多発しているんです」
中国でタクシーにご乗車の際は、防毒マスクが必須アイテム!?
(文=牧野源)
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