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「第2の原子力ムラ」と化した製薬業界の闇と、寄生する“マスゴミ”の醜態

 先の加藤氏がこうも話す。

「中国はカネがすべての社会なので、カネになるものなら基本的に何でも流出します。特に日系企業の最先端技術に関する機密は危険です。中国企業は、技術を開発する時間と労力を省略するため、日系企業の機密情報をカネで買おうとする傾向が顕著だからです」

 自分の愛人だった中国人女性が会社の最高機密をもって退社し、機密を買い取らなければ「ある機関に持ち込む」と脅しをかけたケースもあったという。

 ベテランの中国人弁護士はこう言う。

「上海一帯の公安にとって、日系企業の動向は、何よりも欲しい情報です。なぜなら、3,000人の工場を拡張するのか閉鎖するのかといった情報は、地元の雇用と税収、消費などに直結する重要問題だからです。そのため、日本人社長に愛人がいると分かると、その愛人をカネで釣って工作員に仕立てあげていく。これが最近のハニートラップのパターンです。愛人以外にも、ギャンブル好きだったり、借金を抱えているような日系企業の中国人幹部がいれば、公安はすかさず忍び寄ってきます」

 中国でビジネスをするというのはつくづく難しいと思う。

 今週の注目記事の1番目は、現代とポストがやっている「製薬業界」の闇の問題である。

 スイス大手製薬会社ノバルティス(以下ノバ社)が、日本で販売する降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験を依頼した京都府立医科大学に寄付金を出し、同社の社員が身分を伏せて統計解析を担当していて、データの捏造や改ざんをしたのではないかと言われている。

 このノバ社は病院だけではなく、メディアへもジャブジャブカネを流し、自分たちに都合のいい記事を書いてもらっていたのだと、現代は告発している。

「このバルサルタンが大問題を引き起こしている。効能の証明として09年に京都府立医科大学が発表した論文の、『血圧を下げる以外に、他の降圧剤より脳卒中を45%、狭心症を49%減らす効果がある』という研究データが、ノバ社の元社員によって不正に操作されていたのだ。
 論文発表以来、その効能が関心を呼び、また日経メディカル誌上でのキャンペーンも奏功して、毎年1000億円以上を売り上げ、ノバ社のドル箱商品となったバルサルタン。しかし、その効能がとんだインチキだったと判明したのだから、医療界、さらに薬を服用していた患者に与える衝撃ははかり知れない。
 東京慈恵会医大、滋賀医大、千葉大、名古屋大においても元社員の研究への関与の可能性が指摘されているノバ社。同社は現在、今月9日に始まった厚労省による検討委員会によって、一連の疑惑を追及されている。
 だが、忘れられていることがある。この薬を専門誌上で宣伝しまくった、日経の責任である」(現代)

 日経BP社が発行する医療専門誌「日経メディカル」は、バルサルタンを賛美した企画記事や関連記事、ノバ社からの広告で相当潤ったという。

 現代の試算によれば、09年から現在までに、少なくとも1億円以上の金が「日経メディカル」に広告収入として入った計算になるという。

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