「モー娘。再評価の構造は、ビートルズ再評価と同じ」若いアイドルファンがハロプロにハマる理由
#リアルサウンド
外から来たアイドルファンが”再発見”している。その構図は、モー娘。と同じく再び人気を集めている℃-uteにも当てはまるという。
「℃-uteは年々パフォーマンスに磨きをかけ、クオリティが高いステージを展開してます。しかし、常に彼女たちの活動を追ってきた”ハロヲタ”からすると、日々積み重ねてきたダンスや歌の成長は感じにくいんだと思います。
その点、自分も含めたハロプロのファン以外のアイドルファンからすると、彼女たちの印象はBerryz工房などと一緒にNHK紅白歌合戦に出た2007年ごろで止まっている。そこで、再び注目を集めつつある現在進行形の℃-uteのパフォーマンスを観ると、”すげえ!”という話になるんです。指原莉乃や柏木由紀をはじめ、いまの20歳前後のアイドルにベリキュー(Berryz工房×℃-ute)好きが多いこともあって、興味をもつ人が増えてきているのでしょう」
それでは、プロデューサーであるつんく♂氏の手腕に対する評価はどうだろうか。エドボル氏は、現在のアイドルプロデュースの基本的なフォーマットがAKBモデルになっているなかで、「つんく♂さんは、ハロプロという膨大な土台の上で勝負し続けてきた」と分析する。
「つんく♂さんのインタビューを読むと『秋元さんは商売がうまい』『でも楽曲はつまらない』というスタンスで、AKBが売れている理由を自分なりに解釈し、”AKBはこうだから、ハロプロではこうしよう”と考えてこなかった。ゼロからスタートしたバクステ外神田一丁目の一部楽曲をつんく♂さんが手がけていますが、現在のところ、大きく成功しているとは言いがたい。つんく♂さんはアイドルプロデューサーとして、「会いにいけるアイドル」的なAKBフォーマットには対応し切れていない面があるんだろうなとは思います。ただ対応できない部分は、ハロプロという歴史の蓄積で補っているんでしょう。
結果、現在のアイドルシーンで、ハロプロは独自の立ち位置を作り上げています。その状態のまま、変わらずにやり続けられるのが一番強いのかなと思います。”変わらない”と言っても、音楽的には常に変わっていますし、パフォーマンスも進化していくし、メンバーも入れ替わる。その中でブランドを守っていくことができれば、巡り巡ってまたブレイクするときがくるということでしょう」
次回はAKB48とももクロの未来について、引き続きエドボル氏に聞く。
(取材=吉住哲、構成=編集部)
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