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フジロック好きは、なぜ大金を払って「泥んこプレイ」に興じるのか?
#リアルサウンド
【リアルサウンド】
結局は大盛況に終わるのだろうが、最終ラインナップ発表時は「アイドルブームに媚びた!」と叩かれたロック・イン・ジャパン2013。もっとも動員力のある夏フェス代表格は、そのぶん余計にアンチも多いのだ。
しかし現在のフェスは大同小異。ももクロやPerfumeなどで集客するのはごく普通で、有名どころを寄せ集めただけの、まるでコンセプトがないイベントも多数ある。それが堂々と「◯◯ロックフェス」を名乗ることも珍しくないが、何をもってロックというのか、と議論を吹っ掛けても徒労に終わるだけ。要するにただのブーム、しかもピークは過ぎた感じ、なのである。
これほど「ロックフェス」を名乗るイベントが多いのは、最初の成功例がフジロック・フェスティバルだったから、くらいの理由だと思う。それほどフジの登場は大きかった。多くの音楽ファンがどよめき、音楽業界の夏にも新しい流れが起きた。全国のイベンターがこぞって真似を始めるほど、それは前例がなく魅力的な、当時もっともオルタナティブな音楽の楽しみ方だったのだ。
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Photo:Yasuyuki Kasagi
オルタナが主流となり猫も杓子ものブームになり、安定期から停滞期に入るとアイドルというカンフル剤が必要になった。それがフェスブームの現在だが、しかし、パイオニアたるフジロックは昔と同じくオルタナティブなままである。グリーンのトリだけを並べれば確かに「ロックフェス」だが、その隣でフライング・ロータスと夏木マリとDJみそしるとMCごはんが並ぶというのは、どうしたってオルタナとしか言いようがない。そして、有名無名を問わずどんなステージでも盛り上がる観客のあけっぴろげな開放感も、毎回メンツがどうのと騒ぎ立てる音楽ファンの気分とは一線を画すものだろう。
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