キョンキョンが山Pに初週チャートで敗れる…しかし長期的にはNHKパワーでキョンキョン勝利へ
#リアルサウンド
さて、その「潮騒のメモリー」を抑えて1位になったのは山Pによる真心ブラザーズのカバー曲で、これは同曲をイメージして作られたドラマの主題歌である。しかも単なるドラマではなくフジテレビの月9だ。
そのこと自体がすごい。「サマーヌード」は今や広く知られる名曲だが、実は1995年に発売された原曲は、あくまで当時のCDの売り上げだけに注目するとオリコン最高位81位。推定累積売り上げ枚数も19,000枚だし、真心ブラザーズのシングルとしても売れたほうではない。その曲が長年かけて定番曲となり、月9ドラマのモチーフになり、しかも山Pが歌い、そして98000枚も売れてオリコン1位になるというのは快挙に違いない。CHOKKAKUとOKAMOTO’Sによる今回のアレンジだってさすがにそつがないし、エロさを強調した山Pの近作の路線ともマッチしている。
原曲はこれ! 真心ブラザーズ「サマーヌード」
セルフカバー版の「ENDLESS SUMMER NUDE」が『GOODDEST』(キューンレコード)に収録
ただ、ドラマの人気はまずまずといったところ。フジテレビの宣伝文句では「山下智久、香里奈、戸田恵梨香という、今もっとも見たい旬の3人の豪華共演」が売りだということだったが、視聴率を見る限りでは、今もっとも見たいのはこの3人よりも「あまちゃん」という人のほうが多いらしい。しかも楽曲の順位では裏腹な結果となったが、前述のように「潮騒のメモリー」はこれからまだ先が長いはず。その意味でこの2曲は好対照となった。単純に発売初週のチャート、しかも順位だけに注目してもあまり意味はないということの見本のような結果に思われる。
■さやわか
ライター、物語評論家。『クイック・ジャパン』『ユリイカ』などで執筆。『朝日新聞』『ゲームラボ』などで連載中。単著に『僕たちのゲーム史』『AKB商法とは何だったのか』がある。Twitter
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