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週刊誌スクープ大賞

『失楽園』渡辺淳一が週刊誌“老人セックス”特集に渇「死ぬまでセックスなんてできるわけないだろ!」

 今週最後の注目記事は、新潮の中国のすさまじい貧富の格差をルポした特集。

 まずは、中国共産党の高官の息子「太子党」の話から。

「ピカピカに磨き上げられた真っ黄色のランボルギーニを乗り回し、バカンスに出掛ける時はプライベートジェットを利用する。週末は自らクルーザーを操縦し、夜な夜なモデル級の美女を連れてパーティー三昧……。酒とバラの日々を約束された特権階級は、これまでアラブの王族と相場は決まっていた。しかし、中国広東省に住む16歳の少年が、そんな世界の常識を塗り替えてしまったのだ」

 ある香港紙が6月に報じたところによれば、北京市内だけで総資産1,000万元(約1億6,000万円)以上を保有する富裕層が約18万人にのぼるという。

 今度は最貧層の話。

「『鼠族』とは、地方から大都市へ出稼ぎに来た低賃金の労働省を指す俗称だ。賃料の高騰により、まともな部屋に住めない彼らは、主にビルの地下をねぐらにしている。管理者に払う6畳一間の家賃は月3,000円程度で、そこに無理矢理3段ベッドを2つ置き、夫婦とそれぞれの両親、子供と3世代7人が住むのは当たり前だ。

 窓もなく、炊事洗濯をする場所もないので、食事はインスタントラーメンが主で、むろんトイレは共同。それどころか、電気を勝手に引き込み、公衆トイレの用具入れに住み込んだケースが報じられたこともある」

 北京市には鼠族が100万人以上いると推定されるという。中国の抱えるすさまじい格差や不平等は、辺境においてさらに拡大しているそうだ。

「雲南省のチベット族自治州を訪れたジャーナリストはその惨状を伝える。『外国人の寄付で建設された全寮制の学校を訪れましたが、給食に出されたご飯は腐って甘酸っぱい匂いを発し、野菜炒めも中身は雑草。子供たちの楽しみは週に一度、野菜炒めにわずかな肉が混じることです。自然環境も厳しいため、栄養不足に由来する病気で両親を亡くした孤児が大半で、集落の平均寿命は40歳前後と聞きました。雲南省や政府からの援助も一切ありません」

 この国が世界第2位の経済大国だなんて信じられない。このひどすぎる格差社会は、どこかで破綻すること間違いない。

 もっと恐ろしいのは、そうした不満を外に求めることである。高まる反日感情がどこかで暴発したらと考えると、日中間は非常に危ないところにあると思わざるを得ない。

 安倍首相は海上保安庁長官に佐藤雄二海上保安監(59)を充てる人事を内定した。海保長官にはこれまで国土交通省のキャリア官僚が就いていたが、現場を担う海上保安官出身者の就任は初めてだという。

 緊張が高まる尖閣をめぐる動きに、新たな火種を投じることにならなければいいのだが。
(文=元木昌彦)

●もとき・まさひこ
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

最終更新:2013/07/22 18:00
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