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有名人との親密な関係は事実か? ニコ生発の児ポ法反対組織「日本創作文化消費者連盟(仮)」への疑問

qgreqgt.jpg自転車会館(GoogleMapより)

 港区赤坂。アメリカ大使館前に建つ自転車会館は自由民主党の派閥・宏池会が事務所があることで知られている。その、権力の館に30名あまりのオタクが集まったのは、6月30日の日曜日のことであった。

 この小さな集会を呼びかけたのは、青木文鷹なる人物である。『TPPが日本を壊す』監修。『世界はマネーに殺される』執筆(いずれも扶桑社新書)と2冊の書籍に携わっており、メディアを通してTPP問題に詳しいアナリストと見られている人物である。

 彼がオタクを集めた理由、それは「圧力団体」結成の呼びかけだった。

 ニコニコ生放送で繰り返し児ポ法反対を説いていた青木は6月中旬に「読者(視聴者)団体」の立ち上げを呼びかけてニコ生を行った。放送の中で青木は、「既存の表現規制に反対している団体が啓蒙活動に終始している」と批判し、金と票を集めて政治家に圧力をかけることのできる圧力団体を設立する旨を述べた。「日本創作文化消費者連盟(仮)設立準備委員会」と名付けられたコミュニティの登録者は、すぐに500人を超えた。そして、「与党による児ポ法改定案が成立してしまうまで時間がない」と叫ぶ青木は、設立準備のためのミーティングを呼びかけたのである。

 ミーティングは、ほとんど青木の独壇場であった。白いジャケットの襟と脇の下に大きな汗染みをつくりながら、とうとうと自分が考える「団体」について述べた。

 青木は、そこでも「時間がない」と繰り返し、「金と会員を集めて票になることを示せば、政治家はいうことを聞く」と説いたのだ。

 それと共に、彼が語ったのは、自転車会館がどういう場所かということである。

「安倍首相の前でレクチャーしたこともある」

 と、語る青木は、ここが権力の館であること述べ、入居する組織の有力者とも面識があるという。さらに、従来より表現の自由の問題について発言している人気マンガ家や弁護士、ニコ動界隈で名前の知られる僧侶などの名前も挙げ

「協力してもらえることになっているのです」

 とも話した。

 その上で、青木は「日本創作文化消費者連盟(仮)」の設立に向けたスケジュールを説明した。7月中に立ち上げて、8月には第一回総会を開催。その前に、コミケでチラシをまき会員を募るというものだ。そこでも、改めて前述の人気マンガ家の名前をあげ

「彼のサークルスペースでもチラシを配布してもらえるはずです」

 と、関係性の強さを強調したのである。加えて、彼は団体が法人格を得るという構想も示した。

「できれば財団法人にしたいのです。そして、ゆくゆくは公益財団法人の認証を取得したいと思います。活動費として会員から月500円ほどを徴収します。会員は、いまニコ生のコミュニティが500人を超えましたから、まず25万円。また、クラウドファンディングも申し込んでいます。これでチラシを配布して、会員を集めたいと考えています。政治家に圧力をかけるために、戦うための組織ですから、会費を払う人にしか用はありません」

 「表現の自由」の問題は、ネットで騒ぐ人は多いが、実際に活動家として参入する人は少ない。いったい、なぜこのような人物が、今まで眠っていたのか? 事情を聞こうと、青木が幾度も名前を出した人物に電話したところ、答えはこうだった。

「実は、困っているんです。なぜか名前が使われているんですが、飲み会で2回ほどあったことしかないんです」

 ほかの幾人かの人物からも「会ったことがない」と述べるか、名前を勝手に使われたことに憤慨する答えが返ってきたのだ。

 この青木文鷹という人物は、何者なのか。彼はTwitterで自身を次のように紹介する。

<(株)AIGIS代表 情報分析、戦略立案に関するコンサルタント。日本では珍しい民間の科学鑑定士で、民事に関する鑑定を始め刑事事件の弁護側鑑定なども行う。そのほかTVラジオ出演、講演、執筆等々。>

 前述のように、監修と執筆で2作の著作があり、RFラジオ日本の金曜深夜1時から放送されている『ラジオ時事対談』内で「青木文鷹の日本を救え」というコーナーを持っている。しかし、アナリストや鑑定士として、どのような経歴を辿ってきたのかはGoogleで検索しても、まったく出てこない。主要新聞や雑誌を検索しても、彼の来歴に辿り着くことはできない。

 それもそのはずだ。彼の名前は本名ではないのだ。

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