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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 「発禁になる前に読んでおけ!」底辺で生きるホームレスを14年追いかけたルポ漫画『ホームレス大博覧会』

「発禁になる前に読んでおけ!」底辺で生きるホームレスを14年追いかけたルポ漫画『ホームレス大博覧会』

●自由人の象徴として語られるホームレスの実態

――ホームレスのタブーってあるんですか? ホームレスのコミュニティ内でのタブーと取材でのタブー、両方伺いたいのですが。

らむ 失礼に当たるようなことを聞いても、意外と大丈夫だったりします。家族の話も大丈夫。僕なんて、ホームレスを実家に連れて帰ったこともありますから。本当に人によるというか、話しかけるだけでダメな人もいるし、話しているうちにOKになる人もいる。コミュニティ内でのタブーは、物を盗ったらダメというのはホームレスに限った話じゃないんですが、「マグロ」とか「しのぎ屋」といわれる、ホームレス同士で物を盗む人が結構多いんですよ。だから、集団で集まる場所では揉め事が多いですね。

――ホームレスの生き方を自由の象徴のように捉える人がいますが、それほどまでに自由なんですか?

らむ 自由な部分もあるのですが、ものすごく不自由な部分に囲まれた自由なんですよね。

――「ホームレスは俗世を捨て去っているからピュアなんだ」みたいな見方は間違い?

らむ ピュアなんてことは全然ないですよ。むしろ俗にまみれています。こんなことを言ってしまうと問題ありますけど、少なくとも若い女の子が信用してホイホイついていっていいような、浮世離れした仙人みたいな存在ではありませんね。

――ホームレス取材の中で、世の中のゆがみを感じたことはありますか?

らむ よく思うのは、ホームレスに対する暴力はなくならないということ。本当にダメなことだと思うんですが、社会の仕組みが原因でホームレスになったんだから殴ってはいけないということではなくて、どんな人であろうと、寝ている人を殴ってはいけない。自由人だからとか、実はいい人だから殴っちゃダメというのは違うと思いますが、クソろくでなしだけど蹴ったらあかんだろ! と。それほどまでに、表面化しないホームレスに対する暴力は多いんですよ。大げさかもしれないですが、死なない限りは表面化しないでしょう。花火を持って追いかけ回されたり自転車を投げつけられたりということは、毎日どこぞで起きています。

――ホームレス側は抵抗しないんですか?

らむ 無理でしょう。寝ているところを、いきなりやりますからね。僕もホームレスを疑似体験しましたが、まあ怖いんですよ。梅田で取材していた時、踏み殺されたホームレスがいました。酔っ払ったホームレスが勢いでやることもあるし、ホームレス狩りみたいなこともあるし、ホームレス同士のケンカもあります。元ヤクザのホームレスも多いですから、暴力に慣れているホームレスも珍しくはないんです。

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