「女装なんてドラッグに比べたら健全!」中年おじさんが“不完全女装”にハマるワケ
#インタビュー #女装 #北村ヂン
もう、写真からしてインパクトありすぎな、真っ赤なフリフリの服を着込んだ「キャンディおじさん」ことキャンディ・H・ミルキィさんと、白髪&白髭にセーラー服という落ち武者女子高生スタイルの「セーラー服おじさん」こと小林秀章さん。
おふたりとも、この格好のまま都内各所に出没するということで多数のメディアなどに取り上げられている有名な女装おじさんですが、女装とは言いつつも外見から判断するに……明らかにおじさん丸出し! しゃべり方もオネエ言葉なんて一切使わないし、むしろおじさんであることを隠そうともしていないように見えます。
はたしてこの女装おじさんたちは、どーしてこんなことになっているのか? そして、なんのために女装を!? 東京2大インパクト女装おじさんによる貴重な対談です。
■キャンディさんに人生を曲げられたんですよ
――まず、おふたりが女装を始めたきっかけは?
キャンディ 子どもの頃から姉の服に興味があってコッソリ着ていたんですけど、やがてゴミ捨て場から拾ってくるようになって……。東京オリンピックの年、小学校5年生の時に新聞配達をやっていたんですが、朝、新聞を配っているとゴミ袋が出ているじゃないですか。当時は個人情報もゆるかったんで、平気で女性物の下着とか服が捨ててあったんですよ。ゴミ捨て場を散らかさなければ自由に持って行っていいというような雰囲気もあり、いっくらでも手に入りましたね。もちろん、手に入ったからといって外には着ていけないから、家族がテレビを見ている間にトイレにこもって着てました。
小林 私の場合は小学校の頃、女の子のパンツが大好きで、学校に行ったらとりあえずクラス全員のスカートをめくってみんなのパンツを把握する、っていうのが日課だったんですよ。あまりにもスカートめくりをしていたんで問題になって、先生が「恥ずかしい思いをさせたら懲りてやめるだろう」とでも思ったのか、「今度やったらスカートはかせるぞ」って警告してきて……。
キャンディ 粋な計らいだねぇ~!
小林 こっちはもう楽しみで、ワクワクしちゃってね(笑)。それからも平気でスカートめくりを続けていたんで、ある時、朝礼でスカートをはかされたんです。みんなに大笑いされたけど、こっちはうれしくって……あれ、全然罰になってなかったですね。それからずっと女の子の服に興味を持ってはいたんですが、自分の場合は入手するすべがなかったので、大学生になってエッチなお店に行って下着とかを買うようになるまでは全然、実践する場はなかったです。
キャンディ そこから、女装して外に出るまでに、また大きな壁があるんだよね。外に踏み出す一歩は、人生を踏み外す一歩だから。
小林 初めて外に出たのは、いつ頃なんですか?
キャンディ 30ちょっと越えたくらいかな。もう結婚もして子どももいて……っていう時期。それまでは女装クラブに行って女装をしてたんだけど、女装クラブって基本的に外に出ることは禁止なの。
小林 それはモラルとして「外でまで、そんなことをするな」みたいな?
キャンディ いや、女装クラブが儲からなくなっちゃうから。みんな平気で外に出られるようになったら、女装クラブに行かなくなっちゃうでしょ。でもある時、原宿に行ったら奇抜な格好をしている子たちがいっぱいいたのね、竹の子族の全盛期だったんで。「ここだったら女装しても大丈夫だな」って、完全に勘違いだよ。だって最初に原宿に行った時なんて、セーラー服ともんぺだったもん(笑)。でも、それが竹の子族の子たちにウケちゃったから、さらに勘違いしてハマッちゃったんだよね。あそこで受け入れられてなかったら、人生は全然違ってたと思いますよ。
小林 実は、私の最初の一歩は、キャンディさんがきっかけなんですよ。
キャンディ ええーっ!?
小林「デザインフェスタ」というイベントで写真展をやることになったんですが、その時にキャンディさんが来てくださるって聞いて、「キャンディさんをお迎えするなら、ちゃんとした格好じゃないと!」と思い、女装をしたのが外に出た最初です。
キャンディ あの時が最初だったんだ! すごく人気者だったから、とっくにやってるんだと思ってた。
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