鈴木敏夫の引き出す力 『仕事ハッケン伝』で見せたジブリの真髄
#テレビ #ドラマ #NHK #スタジオジブリ #オリエンタルラジオ #テレビ裏ガイド #てれびのスキマ
中田の出演回は、7月3日(水)午後4時05分~4時53分に再放送予定。
「テレビはつまらない」という妄信を一刀両断! テレビウォッチャー・てれびのスキマが、今見るべき本当に面白いテレビ番組をご紹介。
「頑張る必要ない。才能出してくれれば」
これはスタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫が、オリエンタルラジオ中田敦彦に初対面で言い放った言葉だ。
「あなた、才能あるんでしょ?」という鈴木の問いかけに、「…や、頑張ります」と中田が答えたのを受けてのものだった。
『仕事ハッケン伝』(NHK総合)は「もし今と違う仕事についていたら、どんな人生を送っていたのだろう」をコンセプトに、各界の著名人がさまざまな職種の企業に実際に1週間程度“入社”し、その仕事を体験するというドキュメンタリー。2011年5月に第1シーズンが始まり、現在第3シーズンを迎える。今回のシーズンではこれまでも、吉木りさがバスツアー企画、平山あやがファッションエディター、小島よしおが食品スーパーなどと、実にさまざまな職種に挑戦している。ちなみに13年4月11日に放送された「冨永愛×左官」は、ギャラクシー賞月間賞を受賞した。
6月27日放送回で中田が“入社”したのは、憧れの会社「スタジオジブリ」。巨匠・宮崎駿を擁し、名プロデューサー鈴木らが『となりのトトロ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』など、数々の大ヒット作を生み出してきた、世界を代表するアニメ映画制作会社だ。中田が配属されたのはプロデューサー室。映画のヒットに直結する広告やパンフレット、公式グッズなどを制作する部署だ。そこで鈴木が中田に課したのは、宮崎監督5年ぶりの新作『風立ちぬ』の新聞広告のデザインだった。
そんな“難問”に対し、中田は実に彼らしいやり方で、その“解答”を導き出そうとする。中田は自ら「受験パンク」と呼ぶように、ベッドを破壊して椅子に自分を縛り付けて寝ずに勉強して倒れ病院に運ばれたり、“右脳と左脳を交互に休ませれば、眠る必要はない”という独自の理論から眼帯をつけて勉強したほど、学生時代、勉強に没頭した。受験勉強に最も大切なのは「傾向と対策」だ。出題者の意図をくみ取り、相手の求めていることを探るのが解答への近道。中田はお笑い芸人としても、受験と同じようにこの傾向と対策を徹底的に分析しネタを作り、自分の立ち位置を選び取っていった。だから、今回も彼はその方法論を採用する。
まずは絵コンテを読み込み、印象的なシーンやセリフを抜き出しメモを取っていく。さらに“過去問”にあたるようにジブリの過去の新聞広告をひとつひとつ、つぶさに見て、その傾向を分析していく。会議では自分が発言するよりも、その様子をじっくりと観察していく。そうして中田の手元には、膨大な量の書き込みであふれるメモの山ができ上がっていた。
「強烈なビジョンを鈴木さんが持っていて、それをみんなで削りだしていくっていう作業」だと、中田はジブリの企画会議の傾向を挙げ、「まったく新しいアートというか、僕がいいっていう、ひとりよがりのものは絶対はじかれる」と対策を練っていった。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事