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徹底的に狙い撃ちされた“AKBメール”巨額詐欺事件 アドレスはどこから漏れたか?

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「前田敦子の悩みを聞いてやってくれませんか? マネジャーより」

 タレントの成りすましメールで会員費や通信費を集め、116億円もの巨額詐欺でサイト運営業者「ウイングネット」元役員らが警視庁サイバー犯罪課に逮捕された。

 同課の関係者によると「被害者は37万人で、大島優子や小嶋陽菜などAKB48メンバーの名前が多く使われている」というが、奇妙なのは、「やたらAKBファンが狙いうちされている」という話も持ち上がっていることだ。

 ある高校生の男性は「4月、友だちと4人で一緒にスマートフォンを購入したところ、うち2人にAKBメンバーの成りすましメールが届いたのですが、その2人がまさにAKBファンだった」という。

「この2人だけが登録していたサイトはAKBの公式サイトだったので、その個人情報がAKBの運営側から流出したのではないかと疑っています」と男子生徒。

 この話を日記サイトで見た別のAKBファンからは「この半年ぐらいでAKB関連グッズの広告メールがやたらと増えていて、ファンクラブを辞めてもそうしたメールが届く」というコメントもあった。

 AKBのファンクラブ会員規約には「個人情報の取り扱い」として「業務提携先等の商品、サービス等の広告宣伝のための電子メール等を送付する場合」には個人情報を転用する可能性を示唆しているが、実際にその広告メールを確認すると、発信元はAKB運営とは直接関係がない会社で、宣伝されるグッズも非公式写真集の発売案内だったりするため、AKBサイドが意図して送信しているものではないとみられる。それでもファンは「だからといって、個人情報がAKB側から漏れていないとは言い切れない」としている。

「だって不思議なのは、前田敦子の成りすましメールを受け取った方にたくさんの前田ファンがいたんですから」(同)

 仮にピンポイントで特定のファンに目当てのタレントの成りすましメールが届いていたのであれば、ファンの個人情報がなんらかの方法で盗み出された可能性はある。

 この件については、個人情報のリストを売買する名簿業者から「AKB総選挙の近くになると『AKBファンの名簿はありますか?』という問い合わせが月に100件近くありますし、逆にAKBファン名簿の買い取りを求める者もいるので、なんらかの理由でリストが流れているのでは」という話が聞かれる。

「いまやファン名簿の売買は当たり前。こうしたリストの流出は内外どこからでも発生するもので、例えばAKBが業務委託した先の連中が一様に個人情報を厳重管理しているとは限りません」(名簿業者)

 芸能人なりすましサイトによる疑心暗鬼は、いまや意外な方向に広がっている。
(文=鈴木雅久)

最終更新:2018/12/11 15:39
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