ネタ? 本気のSF? ジェットコースターアニメ『革命機ヴァルヴレイヴ』を再検証
#アニメ #アニメ時評
そろそろ4月スタートの春クールアニメの最終回ラッシュに突入する、テレビアニメシーンですね。放送前の下馬評どおりに面白かった作品もあれば、「どうしてこうなった」な作品もあり、百花繚乱な今クールアニメらしく、さまざまな結末が描かれることになると思われます。
そんな中、最終話直前の現在もなお「これは面白いのか?」「いや、面白い!」と、いまひとつ評価が定まらないアニメが『ヴヴヴ』こと『革命機ヴァルヴレイヴ』です。
『機動戦士ガンダム』『コードギアス 反逆のルルーシュ』など、多数のヒット作を世に送り出したアニメ制作会社・サンライズによる超王道にして大作ロボットアニメとして、鳴り物入りでスタートした本作。T.M.Revolutionと水樹奈々というアニソン界のスターがデュエットするオープニング主題歌「Preserved Roses」は10万枚超のヒットを記録し、バンダイから発売された主役ロボット・ヴァルヴレイヴのプラモデルも、店頭に並ぶとすぐさま売り切れになってしまうほどのフィーバーぶりを見せています。
そんなグッズ関連が絶好調な『ヴヴヴ』ですが、唯一、賛否両論なのが肝心のアニメ本編のストーリーだったりします。
以前、この連載で「過去の名作ロボットアニメをオマージュしたシーンが続出!」(https://www.cyzo.com/2013/04/post_13198.html)と書いたように、どっかで見たことがあるような設定やシーンが続出する本作。「二国間の戦争に巻き込まれた中立コロニーに住む主人公が、偶然最新鋭ロボットに乗り込み、エースパイロットになる」という第1話を見た視聴者(っていうか筆者)は、てっきりこの後コロニーから脱出なり軍属になるなりして、主人公たちは刻の涙の一つや二つ見ちゃうのかなと推測したりもしたんですが、まったくそんなこともなく学生だけでコロニーに居座り「国家として独立宣言」しちゃったり、ヴァルヴレイヴのパイロットになった主人公・時縞ハルトはなぜか人に噛み付くと人格ごと乗り移る「ヴァンパイア化」しちゃったり。はたまた、元アイドルでありメインパイロットの一人・流木野サキが歌う挿入歌に合わせてミュージックビデオみたいな映像が流れたり、何かあるとSNSに情報を公開して「イイネ!」的なボタンを世界中の人に押してもらったり、その合間に敵が攻めたり撤退したり……。なんだか妙に緊張感がないというか、全体的に文化祭の催しごとみたいに楽しいアトラクション満載の学園生活っぽい雰囲気すら漂っています。
非常に精緻な作画で描かれるキャラクターたちと、一機ごとに異なる性能を持つヴァルヴレイヴたちによる目の離せないロボットバトル。そのヴィジュアルを支える千住明による緊迫感満点のサウンドトラック(ガンダムファン的には『機動戦士Vガンダム』の人でおなじみですね)。
そんなヴィジュアル&サウンドが醸し出すヘビーな作風に対する期待感とはちょっと違う内容に、ネット上では「何がやりたいのかわからない」「ネタアニメなのか、本気のSFアニメなのかわからない」「なんで敵はいちいち手加減してくれるの?」など、突っ込みどころ満載の内容に酷評も少なくありません。
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