「探せば結構、希望はあるよ」『放課後グルーヴ』で青春が踊り出す
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「テレビはつまらない」という妄信を一刀両断! テレビウォッチャー・てれびのスキマが、今見るべき本当に面白いテレビ番組をご紹介。
「人生なんて、悪いほうが多くできてるんだよ。人生、J-POPみたいに甘くないよ」
男(菅原大吉)は盗んだタクシーを走らせながらそう言った。タクシーには、ひょんなことから“学年ワースト成績のくるくるヘッド”福田(岡山天音)たちが乗っていた。そして男は「一緒に死のう」と言う。突然、妻に離婚届を突きつけられ、自暴自棄になっていたのだ。
「おっさん、知ってるか? 地球は時速1700キロで回ってる」と、福田は男に問いかける。「でも吹いてね-じゃん、風! てことは、俺が吹かせるしかねえだろ、風は!」
福田は「俺には夢があるからな。俺の夢が俺を守ってくれる」と、120キロで高速道路を走るタクシーから飛び出そうとする。「勇気は出るとか出ないとかじゃないんだよ、たとえヤケクソでも勇気は絞りだすものだ!」
大家族に生まれ、『北の家から』なるドキュメンタリー番組に7年間密着され続けている北野(清水尋也)、とても10代に見えないイカツイ風貌ながら、いつも「俺はいいと思う!」と肯定を繰り返す箕輪(草野イニ)、インド旅行で仏教の教えに感化され、常に右手を上げて生活をしている吉沢(デニス)……。
中学2年生の福田とその仲間たちは、それぞれに中学生らしい悩みや葛藤を抱えながら、懸命にもがきながら生きている。それを叱咤激励しているのが、このドラマの主人公で担任の桐生(高梨臨)。生徒から慕われている元ヤンキーの教師だ。そして彼女もまた、もがいている。
『放課後グルーヴ』(TBS系)は、そんな彼らの物語だ。「ダンス」が突如として体育の授業の必修項目となり、ダンスがからっきしダメな教師・桐生が苦心しながらそれを教えていく姿と、そんなダンス教科に戸惑いながらも興味を持ち始める生徒たちが成長していく姿を軸に物語は進んでいく。
このドラマでは、ザ50回転ズの「I can not be a good boy」、電気グルーヴの「N.O.」、JUDY AND MARYの「BLUE TEARS」、UNICORNの「すばらしい日々」など日本語ロックの名曲が挿入歌として効果的に使われている。
「ねぇ君 調子はどうだい? 夜はよく眠れるかい?」
福田は仲間の一人を想いながらYO-KINGの「ずっと穴を掘り続けている」をカラオケボックスで絶唱していた。「結局オレたちはいくら偉そうなことをほざいても友達一人救えないのか」と、もがくように。
その仲間とは本田千夏(萩原みのり)。中1の頃はグループのスターだった彼女は、約1年前、プロを目指していたダンスレッスンの帰り道、居眠り運転のダンプカーにはねられ、下半身不随で車椅子生活を余儀なくされ不登校になってしまったのだ。
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