【『ニコ生ナックルズマガジン』出張版】ついに“闇社会の論理”で動きだした「関東連合問題」
#久田将義 #六本木
ここ数年マスコミを賑わせてきた関東連合だが、現在、分岐点に差し掛かっている。
警察もほぼ、その実態を把握しているという情報が僕のところに入ってきている。人脈図などは複雑で、一体誰が関東連合でそうでないのかを把握するのは困難だが、次第に解明されてきているようだ(ちなみに、この件に関して、2ちゃんねる情報はあまりアテにしないほうがいいだろう。面白いスレッドもあるのだが、書き込んでいるのがアウトローマニアと思われるし、僕が知っている限りでは関東連合のど真ん中の連中はほぼ、あるいはまったく書き込んでいない。当然、取材者の僕もだ)。
ちなみに検索すると、たまに「歌舞伎町五人衆」という名前と五人衆のリーダーKという人物が、歌舞伎町アンダーグラウンドの中で非常に力を持っているかのように書かれているが、そんなことはない。
本当に力を持っているのは、この日本においてはやはりヤクザなのである。
このブロマガでも書いたかもしれないが、事件を分析する時、アメリカや中国、台湾など国外ならいざ知らず、この日本におけるアウトローのヒエラルキーのてっぺんはヤクザであることを頭に入れておくのが基本だ。その下に準構成員や企業舎弟、周辺者、共生者と続く。
一時、一部週刊誌などは「関東連合VS山口組の抗争」的なタイトルをつけており、実はそういうタイトルをつけるとは知らずに僕も何誌かに原稿を書いたのだが、タイトルを見て仰天し「署名記事でなく無署名にしてくれ」と編集部に頼んだ。
常識的に考えて実働数10人といわれている関東連合が、約2万人の山口組と抗争することなどあり得ないのは自明の理である。
また、15年ほど前に小説『不夜城』(馳星周著/角川書店)がヒットした時も、歌舞伎町が中国人に乗っ取られるのではないかという危惧を抱いた読者もいたようだが、これも幻想である。その証拠に、現在の歌舞伎町は南米系、ヨーロッパ系のアウトローはほとんど見ない。
関東連合も同様である。関東連合が力を持っている=金を持っているのは確かだ。そして、いざという時の団結力と戦闘力もすごい。そしてここ数年、芸能界のスキャンダルの陰に関東連合の名前が浮上してきていた。ここまでで、やめておけばよかったのかもしれない。
アウトローのヒエラルキーのてっぺんはヤクザと前述したが、そのヤクザより怖いのが国家権力であると、僕は思っている。つまり、警察だ。その警察をとうとう本気にさせたのが、「六本木フラワー事件」だ。
それまで芸能スキャンダルが起きても、「どうせいつものことだろう」とタカをくくっていた警察庁も、この事件は看過できなかった。あえて不謹慎な言い方をするが、この事件が人違いでなく、被害者が狙ったKという人物であったなら、ここまで大事にならなかっただろう。
しかし。
被害者は関東連合とまったく関係のない(もしかしたら、知り合いくらいはいたかもしれないが)、一般人だった。これはヤクザ用語でいうところの「下手を打った」に等しい。しかも主犯が関東連合の中でも重要人物であり、山口組系構成員の見立真一容疑者である。
ここで指摘しておくが、大物であればあるほど、サイトや雑誌には名前が出てこない。彼らは頭が切れるし、用心深い。だから、関東連合ということでマスコミに出るような人物の、さらに上の人間たちが重要人物と思っていただければ幸いである。
まず、闇社会側から見てみよう。弘道会系組員といわれている見立容疑者の存在は、山口組からすればいい迷惑である。警察ににらまれるし、ガサも入っている事務所もあるかもしれない。何より、関係のない一般人を殺害してしまった。あるいは任意で事情聴取なども行われている可能性もある。現在、逃亡先がフィリピンともカンボジアともいわれているが、問題は資金である。資金が尽きた時に自首するのか。それとも……。
山口組定例のブロック会議では、関東連合の話題は出ていないらしい。しかし、雑談レベルでは話す組長もいるようだ。会議のテーマになっていないという前提ならば、組ごとに「関東連合問題」は解決するしかないだろう。
山口組は「山一戦争」の例を見るまでもなく、内部抗争の歴史である。司六代目の出身母体である弘道会が主流だが、当然反主流派も存在する。今まで、自分たちのシノギには引っ掛かってこなかった関東連合だが、目障りになってきていると思われる。
警察庁の規定(指定ではない)で、関東連合と怒羅権を「準暴力団」としたことは大きい。それまで、確かにヤクザともケンカするイケイケの関東連合だったが、「準暴力団」つまり、「ほぼ暴力団」見なす。あるいは、少なくとも「一般人」ではないと国から規定されてしまったのだ。ヤクザにとってはこの方が分かりやすいだろう。
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