篠山紀信バリの凄腕カメラ小僧が大活躍! 淡々とエロスを追求し続ける変態アニメ『フォトカノ』
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しかも、メインヒロインということで攻略に2話使っている新見遙佳以外のヒロインは、1話でカタをつけないといけないので展開スピードもジェットコースターのごとし。休む間もなくモニタ上を肌色が駆け抜けていくのです。
そんなピュアでゲスなパッションが炸裂する本作ですが、映像的にも見どころ満載。まずはエロ漫画直系の思い切りパースを利かせたアングルと、セクシーポイントをこれでもかと拡大したセクシーショットが挙げられます。エロ漫画では「ここぞ!」という見せ場(つまり「抜きどころ」)では、思い切りお尻やおっぱいを強調した絵を用意します。ともすればデッサンが狂っているともいわれがちな演出ではありますが、だがそれがいい! エロスの前にデッサン狂いなど些細な問題なのだ。そんなスタッフの思い切りが伝わってくるかのようです。
さらに、毎回なんだかんだと描かれる水着撮影シーンですが、ここではほぼ必ず3D映像を加工したダイナミックなセクシーショットが挿入されます。なめるようなカメラワークでヒロインの肢体を描くカットは、本作のハイライトシーンといえるでしょう(余談ですが、実原氷里との恋模様を描く第7話では『マインド・ゲーム』監督の湯浅政明が絵コンテで参加。いきなり背景が三次元的にグリグリと動くカットで視聴者の度肝を抜いたことも忘れられません)。
というわけで、ホワイトバランスもISO感度も気にせず、煩悩と情熱のみで美少女たちの眩しい青春をフィルムに収め続ける『フォトカノ』は、間違いなく『キミキス』『アマガミ』の流れをくむ立派な「変態アニメ」といえます。さらに「エロス」をキーワードに、様々な映像的な挑戦をするスタッフの心意気にも脱帽するばかりです。いや~、本当に日本のアニメって懐が深いですね。(前回も似たようなことを言った気がしますが)この表現の自由がいつまでも守られることを、願わずにはいられない今日この頃です。ニヤケ顔を晒しつつこんなことを言っても、全然説得力ないんですけど。
(文=龍崎珠樹)
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