「生涯わくわくさん!」久保田雅人が『つくってあそぼ』裏話をぶっちゃけた、本当のワケ
#インタビュー
――番組終了を惜しむ人は多く、特に最終回は「視聴率50%を目指そう」とネット上で盛り上がっていましたね。
久保田 実はまだ、最終回は見てないんです。カミさんは録画してると思いますけど。基本的に、自分の番組ってあんまり見ないんです。自分で納得した放送って、20年間で3本くらいしかないんです。凝り性だから、“ここが違うんだよな~”って放送ばっかりですよ。
でも放送終了後、メールや手紙で感想が何百って来て、うれしかったですね~。「子どもの頃から見てました」「子どもが泣いてました」とかね。泣きながら手紙書きましたって子もいて。「わくわくさん、どうしてテレビやめちゃうの?」って。それ聞かれるのが一番困るんだよね。「NHKの強い要望により……」って説明したいけど、そういうわけにはいかないし。ごめんなさい、としか言いようがないよね。
――やっぱり、寂しいですか?
久保田 「あぁ、終わっちゃったんだな」という感じですね。視聴者の反応を見てゴロリくんとも話してたんですが、「俺たち、すごいことやっちゃったんだね」って。ただ、ありがたいことに、番組終了後もゴロリくんと一緒に全国各地を回って工作ショーをやらせていただいているので、感傷に浸る余裕もないというか。
――講演会は延べ4000回を数えるそうですね。全国各地、行ったことがない都道府県はないとか。
久保田 番組がスタートする前に子どもたちの前で工作するのに慣れなきゃいけないなと、NHKにお願いして幼稚園を紹介してもらい、自分で電話して行き始めたのが始まりです。ショーでは紹介する工作はもちろん、構成まで全部自分で考えています。番組で紹介したものをステージ向けにアレンジして、お父さん・お母さん向けの説明やNHK的に話せなかったお話もしています。テレビとはまた違った面白さがありますよ。体が動く最後の最後まで、わくわくさんとゴロリくんとしてショーをやろうと思っています。ゴロリくんにも言ってるんですよ、「俺の腹の黒いうちは休ませねぇよ」って(笑)。
――そもそも久保田さんは、声優としてデビューされたそうですね。
久保田 はい。『タッチ』の上杉達也役の三ツ矢雄二さんと『ワンピース』のルフィー役の田中真弓さんが作られた劇団の第一期生に応募したんです。本当は舞台がやりたかったんですが、お2人の口添えでアニメ声優として出させてもらえることになって。その後、NHKの子ども番組に出演していた田中さんの勧めで、『できるかな』に続く工作番組のオーディションを受けたんです。
――その後、わくわくさん一本で活動されてきたわけですが、今後、久保田雅人として声優や俳優として活躍していきたいなという思いはありますか?
久保田 う~ん、どうですかね~。今はわくわくさんとしての講演会活動、工作教室やショーがメインで、毎日舞台をやっているようなもんですから。ただ、難しいですよね。昔、渥美清さんが、「渥美清が寅さんに食われちゃった」って言ったんですよ。何をやっても寅さんに見られてしまうと。それと同じですよね。何をやっても、わくわくさんに見られてしまう。久保田雅人が、わくわくさんに食われちゃったんですよ。あるいは、自ら食われたのかもしれません。それが役者としてよかったのか悪かったのか、これは死ぬまでわからない。ただ、誰にでも胸を張って言える主演作を1本持っているというのは、俳優としてものすごく幸せなことです。それから、自分の幼い子どもに胸を張れる番組を1本持っているというのも、父親として、男として最高です。“役者・久保田雅人”がなくなっちゃったというのは、やっぱり役者として寂しいですけどね。
――でも、ぜひバラエティには、また出ていただきたいです!
久保田 はい、機会があればぜひ。私がお話ししている裏話っていうのは全部、番組を作るに当たってのわれわれの本当の思いなので、それをみなさんに伝えたいんですよ。出演者、スタッフが一丸となって22年やってきましたから。‟本当はこういうふうに作っていたんですよ“というのを、番組が終わった今だからこそ、ちゃんと伝えていきたいんです。
(取材・文=編集部)
●くぼたまさと・どっとこむ
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