海上自衛隊広報室、トンデモ対応の一部始終 問題室員は懲戒処分検討へ
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海上自衛隊広報室、トンデモ対応の一部始終 問題室員は懲戒処分検討へ – Business Journal(5月22日)
2012年7月18日、海上自衛隊の護衛艦「みねゆき」艦内で発生した窃盗事案に関する取材を行ったときのことだ。当サイト記者が取材申し込みの電子メールを発信すると、海上幕僚監部広報室(以下、海幕広報室)から、即、「そのような事実は把握しておりません」という、ごく短い一文が返ってきた。
だが、これでは事実関係が詳らかにならず、メディア側として「国民の知る権利」に応えられない。そのため電話にて、再度、取材申し込みを行った。その際の海幕広報室とのやりとりは、次のようなものだ。なお、この海幕広報室で応対に当たったのは、当サイト記事『海上自衛隊、取材者ブラックリスト作成で一部取材対応拒否か…違法の可能性も』で触れた海幕広報室員・A氏である。
–頂いたメールから、そちらでは、まだ把握されていないことはわかりました。なので、本件について、海幕広報室として事実関係を調べていただきたいと申し出ている次第です。
A氏 ですから、本件については把握していないということです。
–いえ、ですから、調査をお願いしている次第です。ご担当者様が把握していないことをどうこう申しているわけではございません。いつ調査し、把握されるおつもりですか? 当方の取材に応えて調査はしていただけない?
A氏 いつ? そんなこと書いてませんよ。ですからね、うちでは把握していないと言っとるんですよ。
–現役自衛官を名乗る方から情報提供を頂いた。それが事実かどうなのかを、そちらにお尋ねしている次第でございます。本件についての詳細について、どうかお調べいただけませんか?
A氏 なんで、そんなことうちがわからないと言って、それ以上、調べなければいけないんですか? え? その根拠は? ああ?
–こちらで独自に調べて記事化、報道しても構いませんが……。しかし、そちらが「調べるつもりはない」と拒否した事実が事件として浮かび上がった場合、この対応も含めて、僭越ながら海上自衛隊、組織として大恥かくことになりますよ。それでよろしければ。
A氏 ああ。それはありがとうございます。
–どうしても、この件について、そちらで事実関係について海上自衛隊として調査していただけない?
A氏 あのね、なんで、うちが調査するとか、しないとか、そういうこと言わなければいけねえんだ? ああ!
このやり取りの最中A氏は、始終大声かつ居丈高な口調を崩さず、時折取材者を小馬鹿にする口調もみられた。また、この応対についてA氏は、「直情径行的、大人気ない対応を行った」と、本件に関する聞き取り調査を行った海幕高官相手に認めている。
さて、その後のやりとりで記者が詰め寄ったせいか、その後すぐ海幕広報室から電子メールにて、調査する旨、回答が寄せられた。結果、護衛艦「みねゆき」艦内で窃盗事案があり、現在、調査中との回答が得られた。加えて、担当のA氏から「極めて軽微な事案」とのコメントも引き出した。しかしこの窃盗事案、隊員が艦内にて30数万円相当を他の隊員から盗んだ容疑で懲戒免職処分となっている。懲戒免職となる事案が、はたして「軽微」といえるのだろうか。
●取材者の質問を「いちゃもん」扱い?
こうした海幕広報室のずさんな対応は、これだけにとどまらない。
例えば2012年9月には、経済ジャーナリスト・秋山謙一郎が「(仮)海上自衛隊の広報戦略」というテーマで取材を申し入れたが「総合的な観点から貴殿からの取材はお受けできません」との理由で取材拒否を受けた。安全保障上の秘密を含んだ話ではないにも関わらず、実に不思議な話しである。この取材依頼については、複数の海上自衛隊関係者の話を総合すると、A氏を出元として「みねゆきの記事を書いた秋山が海幕広報室にいちゃもんをつけている」とあちこちで発言していたという。
●あまりの非常識ぶりでついに懲戒手続き請求へ
A氏の非常識対応は、ほかにも、2013年3月、「潜水艦ずいりゅう」の引渡し式に広報支援として神戸への出張時、自身が個人で利用しているFacebook上に、明確に職務時間中と思われる時間、潜水艦「ずいりゅう」の写真をアップし投稿。他のFacebookユーザーからの質問に応えるかたちで、「横須賀配備です」と海上自衛隊が公式には発表しない潜水艦の所属部隊を個人の判断でアップするにまで至る。
「過去、護衛艦『みねゆき』艦長は、同様の行為が原因で厳重注意処分を受けた。なぜ、広報室にいて、こうしたことがわかっていないのか。護衛艦『みねゆき』艦長SNS事案は、隊内では皆、その報道を重く受け止めていたが、生徒出身者に限っては『俺たちの仲間が攻撃された』という認識。A氏も生徒出身だが、その意識で動いているのだろう。そもそも広報の資質そのものがなかったかもしれない」(一般大学卒の幹部自衛官)
またA氏は、自身が利用するFacebook上で、海上自衛隊を特集したあるテレビ番組を取り上げ「こんな番組に広報する必要があるんですかね」という投稿も掲載。
これにとどまらず、A氏には特定の一般人への便宜供与疑惑を思わせる投稿もあった。例えば、ある一般人の「こちらこそ非売品グッズを有難うございました(以下、略)」という投稿に対し、A氏は「どういたしまして。今後ともよろしくお願いいたします」と返答するなど、他省庁はもとより民間企業ではとても考えられない非常識な応対が目立つ。
さすがに、これらの一連の行為から、現在、A氏に対する懲戒手続き請求が海幕補任課服務室に出され、同服務室はこれを受理。懲戒処分に付するかどうかの調査がなされている。
なお、本件についても、海幕広報室に問い合わせを行い、対応に出た女性職員からは「担当者に伝えておきます」とのことであった。しかし、指定した日時まで待ったが、担当者から連絡が来ることはついになかった。
(文=編集部)
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