ヲタすらいなかった……有名漫画家の参加は皆無「まずは資金が足りない!」表現規制反対院内集会の問題
#出版 #児童ポルノ #青少年育成条例 #非実在青少年
続けて曽我部教授は、所持・取得の規制について説明。現在、所持に対して罰則を規定しているのは京都と奈良の条例だ。京都府は、罰則の対象を有償取得に限り処罰範囲を限定しているのに対して奈良県では単純所持を処罰対象としており、処罰範囲は広い。曽我部教授は、京都府が処罰範囲を限定している理由として、条例制定に携わった高山佳奈子京都大学教授の言葉を引き「単純所持は拡散の危険性とは結びつかないことから、この危険性を有する有償取得を処罰」する主旨から成立しているという。
また、条例によっては「廃棄命令」を定めている場合もある。これは、児童虐待の記録が永続的に拡散することを防止するといったメリットもあるが、問題点もある。京都府条例などでは知事が廃棄命令を出す形になるのだが、担当部署である青少年課が児童ポルノを所持している人物の情報を得て、確認するといった運用は困難だからだ。この点を、栃木県条例では、廃棄命令を出す主体を公安委員会=警察にすることによって、具体的な運用を可能にしようとする意図が見られる。
これら条例を比較検討した上で、曽我部教授は「各自治体の条例からわかるように、単純所持を単純に処罰することの弊害は大きい、児童ポルノ法の定義には問題があると思われます。児童ポルノの被害は深刻であり単純所持・取得の規制を一切認めるべきではないとまではいえませんが、条例の試みから示唆をくみ取って慎重な議論が必要でしょう」
と、話す。さらに曽我部教授は、単純所持を処罰することは、一部のマニアや事業者だけでなく、一般国民に広く関わるものであり、「一般国民レベルでの判断基準の明確性」を定めることが欠かせないともいう。曽我部教授は、この点で京都府条例は判断基準を明確にするとともに冤罪の可能性も回避していると評価する。
「有償取得を処罰する京都府条例では、処罰範囲が狭いという意見もあるでしょうが、それはありません。主観の立証に関わる捜査権の濫用ということは生じにくいと考えられます。マニア間の無償交換は児童ポルノ法の提供罪で対応が可能でしょうし、セクスティングは、強要罪や製造罪の教唆犯などで対処することができます」
講演に続いて、発言を求められた、みんなの党の山田太郎参議院議員は次のように発言する。
「今国会で、改定案が最終的に提出されるか分からないが、高市早苗政調会長が力を注いでいることは感じている。国会の日程を見ると6月10日くらいまでに法案が上程されないと間に合わない。参議院選挙があるので、会期の延長はない。与党が巨大な状況の中で、憲法を絡めて選挙の争点にするとか、緻密に作戦を考えなくてはならない。次の参院選の次の国政選挙は3年後になる。3年間の間、阻止続けるのは難しい。私は、選挙の争点にするのがよいと思う。みなさんにはTwitterでもメールでも事務所にFaxやお手紙でもいいので議員に意見を送ってほしい。そうしたものが世論を形成します」。
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