今、情熱大陸より熱いのは映画大国インドだ! 青春“ナマステ”コメディ『きっと、うまくいく』
#映画 #パンドラ映画館
さぁ、みなさんご一緒に「うまーく、いーく♪」。
『きっと、うまくいく』の舞台はインドの誇る超名門工科大学。IT立国インドの将来を支えるエリートエンジニアの卵たちが、一流企業への就職を目指して競い合っている。新年度を迎えた学生寮では、インド各地から選抜された新入生たちが先輩たちの手荒い洗礼を浴びようとしていた。そこへ呑気に遅れて現われたのがランチョー(アーミル・カーン)。「お前もさっさとズボンを脱げ」と理不尽に命じる先輩を、理工系ならではの電光石火の機転で見事に撃チンしてみせる。序盤から下ネタでのスタートだ。学生たちから一目置かれるようになったランチョーは、続いて学長にも噛み付く。テキストの内容を丸暗記して、試験でいい成績を残すことがそんなに重要なの? ランチョーと寮で相部屋となったファルハーン(R・マーダヴァン)とラージュー(シャルマン・ジョーシー)まで学長から睨まれる。でも、本宮ひろ志の漫画の主人公のように人間としてのスケールのデカいランチョーと一緒にいると毎日が刺激的で冒険の連続だ。かくしてランチョー、ファルハーン、ラージューは工科大名物の「3バカ」として試験勉強や就職活動に取り組むことに。
勉強に追われる理工系大学生たちの青春を恋愛エピソードも絡めながらイキイキと描いた本作だが、いつも能天気なランチョーはキャンパス内である事件に直面する。インドの大学生たちの間で多発している自殺問題だ。学歴社会を勝ち抜いたエリートたちがインドの経済成長を牽引しているわけだが、一方では競争から弾き出され、みずから命を断つ学生たちが相次いでいる。留年を苦にした学友の自殺現場に遭遇し、何のために自分たちは勉強しているのか、レースに勝ち抜くことが本当に幸せなのか、3バカは改めて考えずにはいられない。
インド映画に詳しいアジア映画研究家の松岡環さんに、『きっと、うまくいく』で描かれているインドの社会背景について聞いてみた。
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