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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 矢部浩之はバランス感覚抜群?
テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第24回

型破りな魑魅魍魎が集まる『アウト×デラックス』という大宴会

 最後は主題歌の「悪戯道化師」を歌うことを求められ「あそこで宴会すればいいの?」と嬉々として歌い上げると、「神の存在」と崇めるロバート秋山と作った、“すべての曲を演歌で終わらす”「演歌終わらせサークル」会員らしく、自らの曲を演歌調で終わらすのだった。まさに悪戯道化師。

 そこでは、彼女の奇っ怪な言動を聞いて、矢部浩之は親指を立てて「アウトー!」と叫びながら笑っているしかない。

 思えば矢部は、いつだって相方の岡村隆史の横でニヤニヤ笑っていた。

 岡村は基本的に「カッコつけ」気質のある芸人である。たとえば『めちゃイケ』(フジテレビ系)では、「ジャニーズJr入団」「オカザイル」などの「岡村隆史のオファーが来ました!!」を筆頭に、その「カッコつけ」部分がクローズアップされてしまう企画が多い。ミッションを達成するために真剣に取り組むあまり、お笑い芸人として「アウト」な感動路線に針が振れそうになる。そんな時、矢部は笑う。「岡村さん、何してはるんですか?」とツッコみながら。

 抜群なバランス感覚で矢部が笑うことで、これは笑うものだと視聴者に伝える。その瞬間、感動路線に揺れた針が一気に笑いの方向に傾くのだ。それはこの番組でも同じだ。

 魑魅魍魎な「アウト」な人たちが集まる宴のような『アウト×デラックス』。そこで矢部浩之は、ただただ笑っている。矢部の笑顔と「アウト!」という声は、今までテレビ的に「アウト」だったものを、その宴だけでは「セーフ」に変えるのだ。
(文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>)

「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

最終更新:2019/11/29 18:06
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