家賃が下がる4〜6月は引っ越しの狙い目?物件探しで失敗しないためのテクニック
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サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。
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家賃が下がる4〜6月は引っ越しの狙い目?物件探しで失敗しないためのテクニック – Business Journal(5月6日)
新入学や入社、転勤のために引っ越しの繁忙期が終わった4月は、家賃相場が下がる時期だ。この時期を狙って引っ越しをする人も多いと思われるが、私のその一人だ。私はいつも4〜6月に引っ越すため、周辺の家賃相場よりも安めの物件を探せるが、リーマンショック以降、都心の家賃相場が下がった。そのため、私の部屋の家賃が周辺よりも高いので、更新月を迎える6月を前に引っ越し先を探した。
まずは、どのあたりに住みたいのかを考えることにする。私は打ち合わせ等で新宿を拠点にすることが多いため、「新宿に出やすい場所」という条件はこれまでと変わらない。また、終電を逃しても徒歩で帰れる場所を想定し、目安を徒歩1時間圏内とする。さらに、家賃相場が下がっていることを踏まえ、やや広めの「1K」でも、家賃を現行よりも低めを条件とした。広さを優先するため、築年数は古くてもよい。
想定する場所は、最寄り駅で言えば、JRで大久保、新大久保、高田馬場、目白、東中野。東京メトロ丸ノ内線で中野坂上、新中野、中野新橋、京王線では初台、幡ヶ谷、笹塚。西武線では下落合、中井……といったエリア。まずはインターネットで不動産屋のサイトを探す。
Yahoo!不動産、楽天不動産、SUUMO、at home、HOME’Sなどがある。いずれの場合も、不動産仲介業者に連絡がつながる。
楽天不動産で見てみると、「借りる」や「買う」等の項目がある。「賃貸」を選択し、エリア別で「関東」をクリック。さらに1都6県の地図が出てくるので、その都県の「沿線」や「エリア」を選択する。沿線では鉄道路線、エリアでは区市町村が選べる。先の想定する沿線で探してみることにする。
すると、さまざまな物件が出てくるが、その情報の下に物件を扱っている不動産屋の社名が出ている。私はWEB問い合わせを使って、メールフォームで問い合わせる。すると、業者から物件の空きがあるとのメールが届き、場合によっては電話がくることもあった。さっそく業者に行ってみることにした。
新宿区内の駅近物件で、家賃6万円、管理費5000円の、広めの1Kマンション。不動産屋を訪ねると、「まだ空きがあるのですが、いま、申し込みが入っています。申し込みが入ると審査となるために、物件の紹介が止まるのです。だから、現在、内見できません」と説明された。しかし、なぜ駅近なのに安いのかを聞くと、「おばあさんが孤独死をしていたそうなんです。でも、リフォーム済みだということです」と話した。いわゆる“訳あり”物件だ。
●“訳あり”物件告知義務の裏側
“訳あり”物件の場合、告知をしなければならない。例えば、孤独死や自殺、殺人事件などの「事故」があった物件は、借り主に告知する義務が生じる。その場合、明確な基準がないが、問題が起きてから10年以内、または3代以内の代替わりは告知することになっているということらしい。ある不動産屋に聞いた話だが、「3代以内」を悪用し、事故があった後は不動産屋が借り、さらに自社の社員が借りて、その次の借り主には告知しない、という方法をとっているケースもあるとか。
何が“訳あり”にあたるのかの明確な基準があるわけではない。また、中野区内の別の駅近物件は、6万5000円の広めの1Kマンション。担当者は「空いているのですが、実は、ある意味、“訳あり”です。隣に暴力団関係者が住んでいて、前に住んでいたサラリーマンが半年で引っ越しをしています。管理会社は黙っていてほしいと言うのですが、言わないことでのリスクが高すぎます。だから、おすすめはしません」と説明した。
ただし、これらの物件を私は見ていない。そのため、「おとり物件」の可能性がある。「おとり物件」とは、不動産屋に来てもらおうとするために、好条件の物件をねつ造し、インターネットに出したり、店頭に出したりする。「架空物件」とも言われている。どこの不動産屋に聞いても「うちはしていませんが……」として、一般論としてはあると答える。
●「おとり物件」「架空物件」にご用心
次に、ほとんどの紹介業者が口にするのが「REINS(レインズ)」という業者間のサイトのことだ。このサイトは、一般の利用者が見られず、業者間だけで見られる最新情報だ。一般の人が見られるサイトで見つけられる物件でも、成約されれば、このサイトからは削除される。仲介業者ではこのサイトの情報をもとに探す担当者が多い。
ちなみに、このREINSで「“訳あり”物件」を探すことができる。“訳あり”物件は、告知義務があるために、備考欄に「告知」とあったりする。ある業者で、告知とある物件を探してもらったら、前出の中野区内の駅近物件はなかった。ということは、その部屋は、架空の物件の可能性があるということだ。
自分で「“訳あり”物件」を探す方法もある。「大島てる」という事故物件公示サイトだ。自殺や孤独死、刺殺、火災などにより、過去に居住者が死亡した物件を地図上に表示している。また安い理由は「“訳あり”」とは限らない。例えば、オーナーの意向で、定期借家契約が前提になっていることがある。一定の期間を過ぎると、更新ができない物件だ。さらには、ハザードマップで洪水時の浸水エリアは家賃が低めに設定されている。
また、インターネットの不動産サイトには、すでに成約してしまった物件情報も多い。理由としては、サイトに掲載されている情報がリアルタイムではないことだ。そのため、1日前に成約済みの物件も載っている。
新宿区内で2Kの6万円台の物件が掲載されていたが、この物件を探してもらったところ、1年前に成約されていた。こうしたケースは、インターネット掲載の物件だけではない。店頭にある物件も空室ではないことがあったりする。なぜこうしたことが起きるのかといえば、「おとり物件」で、店に来てほしい、という意図があるのだ。
ある不動産屋では、店頭に出ている物件を問い合わせただけなのに「いま、空いているかどうかの確認をとります」と言うのはいいが、空いていないとなると、必要もないのに「似た物件を探す」と言われ、時間を取られてしまった。店頭にあった物件情報は架空だった可能性もある。
●地元密着型不動産屋も狙い目
地元の不動産屋で探す方法もある。彼らは、「REINS」に載せる前の情報を持っている。しかもすべてをそのサイトに載せているわけではない。そのため、相場を理解し、住みたい街が決まったものの、物件がなかなか見つからない場合は、地元密着型の不動産屋で探すのもいい。
こうした問題をクリアした場合、私のような自営業者は、給与所得者と比較すると信用がない。納税証明書か課税証明書があればよいと言う大家さんもいるが、自営業者では審査が通らない場合もある。そこで不動産屋がやる“裏技”としては、架空の会社を作り、収入証明を作る、というケースもあるとか。
審査が通ったら成約となるが、単純にお金を支払うだけではではなく、ポイントがつくケースがある。不動産チェーンでは、仲介手数料分に限り「Tポイント」をためることができる。アパマンでは「Ponta部屋」があり、毎月の家賃でのポイントか、成約ポイントがついてくる。
また、初期費用をカード払いできる場合もあり、マイルなどのポイントをためることができる。家賃のカード払いができればポイントがたまり続けるが、その場合、手数料をとられることがあり、ポイントはとられるが、割高になることがあるので注意が必要だ。
(文=渋井哲也/フリーライター)
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