恒例、北朝鮮風大学の新入生歓迎祭? 春の法政大学解放総決起集会の一部始終
#学生運動
かくて、10数分余りの間に瞬く間に5人が連行されてしまったのである。トラメガも持って行かれたりして、随分と人数が減ってしまた雰囲気になってしまった。
予定通りデモは行われ市ヶ谷周辺には怒りの声がこだましたのであった。
一部の報道では警察発表を引用する形で「無許可の集会(あるいはデモ)を行い逮捕」と報じられているのだが、現場で見ていた限りは、この程度で逮捕されてしまうのかと驚くばかりである。かつての、法政大学は、夜中に中庭で学生がたき火していたりするのも当たり前。大学職員も「あんまり騒がないようにね」と注意して(近所に病院がある)、たき火には目もくれずに帰ったりと牧歌的な風景が広がっていたのだが、随分と変わってしまったものだ。文化連盟の主張に賛同するかはともかくとしても、この大学は酷いと思っている人は学内学外を問わず多いのではなかろうか。
学生運動がイヤとか、個人的な意思は尊重されてしかるべきだ。だが、学生運動や学生自治がまったく存在しない大学って、弱者の味方を装ったアヤシゲなNPO団体とか、宗教の草刈り場になっている側面もある(タチが悪いところだと、教授自らシンパだったり)。
もはや大学が就職予備校と化して、異質なものを排除するのが当たり前となっている。
以前、某大学である催しが開催された際に教授自ら「不審者がいたら、警察を呼んでネ」と言い出したので、驚いたことがある(大学の自治をめぐる戦後史の重要な事件「ポポロ事件」の舞台だけに)。でも、それがフツーの感覚なわけで、入学してくる学生も、それを疑わない。その結果として、学生が免役のないままアヤシゲなものに取り込まれてしまうという、ゆがみが生じているのは間違いない。
なお、この日、逮捕者は6名(昨年10月に法政大学に不法侵入された容疑で1名が現場で、もう1名が現場に来る途中に令状逮捕)に上ったが、現行犯とされた武田君・斎藤君ら4名は一泊で釈放となった。釈放された武田君は、「一泊で釈放されたことは、この弾圧の不当性を明らかにしています。今回、大学当局は、集会に対して授業準備妨害とする札を示しました。これは、学生に対して授業を受ける以外なにもするなといっているに等しい。そんな札を出したことで大学はおかしいと気づく学生も多いのではないでしょうか。その点では勝利だったと思っています」と語る。
就職予備校と化した大学の中で彼らは、あえて異を唱えて活動している。あと20年も経てば「真の愛校心の持ち主」として表彰されるんじゃないか。
(取材・文=昼間たかし)
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