ブラック企業と呼ばれても仕方がない!? 相次ぐ“ユニクロバッシング”に柳井氏は……
#出版 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
「アルペン」の水野氏はもともとプロスキーヤー志望だったが夢をあきらめ、父親から援助を受けた300万円を元手に、名古屋市内に25坪のスポーツショップを開いたのが始まりだったそうである。
金持ちになる秘訣をこう語る。
「開業以来、一度も赤字なしでここまでやってきました。これから少子高齢化でパイは減っていきますが、崖っぷちに立つとパワーが出るものですよ。あきらめないこと。これが大切です」
あきらめないでこれだけの資産がつくれるものなのか、貧乏人にはわからないが、その裏には他人にはいえない苦労もあったのだろう。
一旗揚げたい人には必読かもしれない。
今週の第1位は、ポストの朝日新聞批判の記事である。週刊誌創刊時の記事の柱の一つが「メディア批判」であった。当時はテレビはメディアとしてそれほどの影響力をもっていなかったから、中心は新聞である。
中でも朝日新聞は目玉で、他紙より売れたのである。このところ朝日新聞批判をあまり見かけなくなったが、ポストはその中では新潮と並んでよくやっている。
今週は朝日新聞が安倍首相にベッタリだというのである。これまで朝日は安倍政権には批判的だったのだが、それが宗旨替えをしたというのだ。
ポストを引用してみよう。
「ここにきてその朝日の論調が一変した。これを読んでいただきたい。
安倍首相が、『強い日本。それを創るのは、他の誰でもありません。私たち自身です』と国民に呼びかけた施政方針演説に対して、朝日は社説で、『施政方針演説 さあ仕事をしよう』(今年3月1日付)とエールを送り、 4月5日には、『政権100日 難所はこれからだ』という社説でこう持ち上げているのだ。
〈安倍首相が『経済再生でロケットスタートを』と宣言した通り、大規模な財政出動と金融緩和の『アベノミクス』を打ち出し、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加に道を開くなど、次々と手を繰り出した。首相の持論である『戦後レジームからの脱却』をひとまず封印し、最大の懸案だった経済再生に集中的に取り組んできた姿勢は評価できる』」
べた褒めと言っていいとポストは書く。これほど安倍首相におべんちゃらを言うのは、ある事件が絡んでいるというのである。
「この事件は、朝日新聞が05年1月に、『NHK「慰安婦」番組改変、中川昭・安倍氏『内容偏り』前日、幹部呼び出し指摘』との見出しで報じた。NHKの従軍慰安婦問題番組の放映前、安倍氏が『公平ではない』として番組内容を変えるように政治圧力をかけたという報道だ」(ポスト)
それ以来、朝日と安倍の仲は犬猿になるのだが、その安倍が首相になってしまったから、朝日は慌てた。そこでこんなことを企んだとポストで朝日の政治部記者が話している。
「追い込まれた朝日は“相打ち”に持ち込もうとした。『こっちも、“だったら政権を潰してやろう”という気になる。当時、安倍さんは公務員改革で官僚の反発を浴びていたから、政権批判の材料なら官僚からどんどんリークが来る。官僚と仲良くなって、追い落としをかけたら政権が本当に潰れてしまった』
朝日の変化でもう一つ見落とせないのは、かつてリクルート事件報道で竹下内閣を退陣に追い込むなど「反権力の調査報道」に定評があった社会部の弱体化だという。この数年、政治家の構造汚職など大型スキャンダル報道が紙面から消え、社会部のベテラン記者はこう嘆いているという。
「政治家とトラブルを起こすばかりの社会部はいらないと上層部から批判され、一昨年10月に調査報道専門の特別報道部を独立させたのが原因です。結局、社会部の士気は下がり、せっかく作った特別報道部は原発事故検証の連載『プロメテウスの罠』にかかりきり。政治スキャンダルを発掘する力がなくなった」
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