GW明けから反対運動も活発化か──児童ポルノ法改正問題、与党案が明らかに
~蘇れ日本の成長力~」より
ゴールデンウィーク明けにも提出される公算の大きい、児童ポルノ法の与党側改正案。その法案の一部始終を、みんなの党所属の山田太郎参議院議員が明らかにした。
出版業界では、これまでも水面下で「表現の自由」を守るべく活動が行われてきたが、連休後にはさまざまな行動が始まるようだ。
4月26日、山田議員は自身のホームページにて、自民党の高市早苗衆議院議員(自由民主党政務調査会長)がみんなの党政調会議に来訪し、法案の提出について説明したことを明かした。山田議員によれば「自民党政調の高市会長自らが直接やって来るのは異例中の異例」だという。山田議員はこの事実を公表し、高市議員の持参した資料を公開すると共に「この表現の自由を大幅に制限する法律に反対する」としている。
ここで示された与党案の問題点は、従来と同じく「児童ポルノ」の定義を明確にせずに規制のみを強化しようとする意図を含んでいることにある。
現行法の第三条では適用上の注意として「国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない」とされているが、与党案では「本来の目的を逸脱してほかの目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならない」とされている。そして、「児童ポルノ所持等の禁止」として新たに「何人も、みだりに、児童ポルノを所持し、又は第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管してはならない」などの条文が追加されている。
そして、附則の第二条では漫画などの創作物にも言及。政府が漫画、アニメーション、コンピュータを利用して作成された映像、外見上の児童の姿態であると認められる児童以外の者の姿態を描写した写真等であって児童ポルノに類するものと、児童の権利を侵害する行為との関連性に関する調査研究を推進することを求める条文が示されている。そして、
改正案施行後3年をめどにその結果に基づく必要な措置を求める、ともしている。
■出版業界からの反対運動も進行中
今回の与党案が示されたことで、情勢は2009年に児童ポルノ法改正案が審議された際の状況に逆戻りしたと考えてよい。09年には、民主党側が児童ポルノの定義変更および取得罪を盛り込んだ対案を出し審議に臨み、その後の衆院解散、民主党政権の誕生により議論は一旦収束した。しかし、今回の情勢ははるかに厳しい。ともすれば、与党案がすんなりと通ってしまいかねない流れにある。
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