休業中・麻美ゆまも復活した恵比寿マスカッツ“涙”の解散コンサートを振り返る
#恵比寿マスカッツ
1曲目をデビュー曲の『バナナ・マンゴー・ハイスクール』で飾り、以降は個性豊かなユニットメドレーや、「おねマス」時代から“毎回いるゲスト”という立場で番組を支え続けてきた大久保佳代子によるMCなどを挟みつつ、ほぼリリース順に沿ってシングル曲を披露。高所恐怖症の山中絢子が宙吊りにされながらボディコン姿で歌う『ヘラクレス』や、その豊満な体型から「ゴンザレス佐山」の異名を持つ佐山愛がサンバコスチュームでホイッスルを吹きながら踊る『勝手にゴンザレス』は最高に馬鹿馬鹿しく、とても解散コンサートとは思えない様相。しかし、2曲目の『12の34で泣いて』では、冒頭の「私もなんか泣きたくなってきちゃった」というセリフパートを担当しているRioが、麻美ゆまの顔を見て思わず涙ぐんでしまうなど、胸を打たれる場面も多々。まさに“笑いあり、涙あり”の演目で、コンサートはあっという間に後半を迎えた。
4回目のMCでは、ユニットメドレーで唯一登場していなかった魔法少女風ユニット「プルカワ」が、ステージを荒らしに来たチンピラをやっつけるために参上。もともとは瑠川リナ扮する「プルカワ」と、桜木凛扮する「プルリン」で結成されたユニットだったが、現在はプルリンの代わりに篠原冴美扮する「プルサエ」、西野翔扮する「プルショウ」の3人編成になっていた……のだが、またしてもここで麻美ゆまに続く嬉しいサプライズが。欠けていた最後のひとり、桜木凛がプルリン姿で現れたのだ。これは一部のメンバーにしか知らされていなかったようで、桜木凛が姿を見せるや否や、ステージ上で号泣するメンバーが続出。中でも希志あいのは「私がリーダーになってから、メンバー全員揃ったことがなくて……。これが私の夢だったんです。凛ちゃん、夢を叶えてくれて有難う」と声を詰まらせながら話し、ようやく30名全員が揃ったことの喜びを噛み締めていた。
さらにアンコール明けには、1期生として多大な功績を残しながらも先に卒業して行った、みひろ、KONAN、かすみりさのOGたちも登場。再び『バナナ・マンゴー・ハイスクール』のイントロが鳴り始め、ファンも、メンバーも、そしてOGたちも「叶うことはないだろう」と思っていたに違いない、夢のような布陣でデビュー曲を披露。底抜けに明るい曲調なのに、「おねマス」時代を彷彿とさせる髪型で嬉しそうに歌うみひろや、感激のあまり膝を折って泣き出したかすみりさを見ていると、思わず涙腺が緩んでしまう。おそらく会場にいたファンの多くが、「バーナナーバナナ マンゴーマンゴ♪」という歌声を聞きながら、目頭を熱くしていたのではないだろうか。
恵比寿マスカッツがもっと見たい。これからも応援して行きたい。そんな思いを無情にも裂くように、ついにこの時がやって来る。歴代の曲がピアノ演奏で流れる中、ひとりひとりに卒業証書が授与されていく、卒業式――。演壇には袴姿に着替えた大久保佳代子、そして、「おねマス」時代からずっと番組MCを務めながらも、コンサートなど恵比寿マスカッツ単独での活動の場には今まで出てくることがなかった、おぎやはぎの2人が。麻美ゆまと桜木凛の復活、OGの登場に続き、またしてもファンやメンバーの夢を叶えるサプライズ。ただ、それは同時に「今日で本当に最後なんだ」という悲しい現実を突きつける。
卒業証書は9期生の希島あいりから新加入した順に手渡され(4期生で3代目リーダーの希志あいのだけは例外で、最後に授与された)、30名全員がひとりずつ、恵比寿マスカッツとして最後の言葉を涙ながらに述べた。実に1時間半以上にも及んだ卒業式の中で、彼女たちが何を語ったかは、「ノーカットで収録したDVDを発売してほしい」という要望を込めて、敢えて記事では紹介しない。そのつもりだったのだが、3期生のかすみ果穂が残した次の言葉だけは、やはりどうしても紹介しておきたい。
「私の人生は褒められるようなものじゃありません。下品なことばっかやってるし……。でも、後悔はしていません。マスカッツに入って、普通じゃできない経験がたくさんできました。私は今、幸せです!」
この言葉が胸に響いたのは、筆者も彼女たちと同じく「邪道を行く者である」という自意識を持っているからに他ならない。おそらくマスカッツファンには、同様の自意識を持つ人が少なくないのではないかと思う。
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