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映画『戦争と一人の女』公開記念インタビュー

“ゆとり教育”の旗振り役からポルノ映画製作へ! 元文科省官僚・寺脇研が批判騒動の真相を語る

sensotohitorinoonna01.jpg“ミスターゆとり教育”と呼ばれた寺脇研氏。官僚の世界を離れ、
過激なポルノ映画『戦争と一人の女』を日本映画界に投下した。

 第二次世界大戦末期の東京を舞台に、性の快楽に溺れる人々を描いた異色作『戦争と一人の女』が公開される。江口のりこ、永瀬正敏、村上淳ら実力派俳優たちが共演。空襲の最中にセックスに励む作家(永瀬)と元娼婦(江口)との退廃的な同棲生活、そして中国大陸から帰還した傷痍軍人(村上)が連続強姦魔へと変貌していく2つの物語が同時進行する。やがて終戦と共に2つの性衝動はクロスすることに……。『ヴァイブレーター』(03)の荒井晴彦が脚本を書き、若松プロでキャリアを積んできた井上淳一監督のデビュー作となる。そして日刊サイゾー的に注目したいのが、企画・プロデュースを手掛けた寺脇研氏だ。学力低下の元凶と批判された「ゆとり教育」のスポークスマンを務めた元文科省の中央官僚である。“ミスターゆとり教育”と称された寺脇研氏は、なにゆえヘアヌード満載の反戦ポルノ映画を製作したのか。また、ゆとり教育とは何だったのか。今だから話せる官僚時代まで振り返った!

──寺脇氏は長年にわたって映画評論家として活動してきたわけですが、「なんで元官僚が映画製作を?」と不思議に感じる人も多いと思います。映画との関わりから聞かせてください。

寺脇研(以下、寺脇) まぁ、不思議に思う方も多いでしょう(笑)。「ゆとり教育」とは子どもたちを型にハメて、金太郎飴みたいに同じものを目指す教育はおかしいよってことで取り組んできたものです。私自身が型にハマるのが嫌で、高校時代は学校よりも映画館で過ごし、年100~150本くらい映画を観ていました。今でも「ゆとり世代はけしからん」と言われていますが、そういう世代間による価値観の違いは昔からあるもの。高校生だった私は大人の評論家たちが書いた映画評論を読んで「分かってないな」と感じていたわけです。そこで初めて書いた評論が高校2年のときに「キネマ旬報」に掲載され、それから今に至るまで映画評論活動が続いているんです。大学に進み、就職先を考える際に映画業界も考えたんですが、どうも映画を作る才能はそれほどない。かといって映画評論では食べていけない。そこで選んだのが文部省(現・文部科学省)でした。役人をやりながら、映画評論と二足のわらじを履いていたんです。2006年に役人を辞めた後も評論活動は続けてきましたが、ここ数年は映画評論に限界を感じるようになった。そこで映画評論家ではなく映画運動家と名乗ることにしたんです。

──映画運動家として初めてプロデュースしたのが『戦争と一人の女』。今、戦争映画を作らなくてはと考えたのは、なぜでしょうか?

寺脇 戦争映画を作ることで、日本人が忘れつつある戦争について考えようということです。これまでいつの時代も戦争映画は作られてきたけれど、最近の日本映画界は戦争映画を作らなくなってしまった。作ったとしても左翼的立場から反戦イデオロギー丸出しで描かれた作品か、役所広司主演の『聯合艦隊司令長官 山本五十六』(11)みたいにCGを多用し、人気キャストを配したスペクタクル大作のどちらかしかないでしょ? もちろん10億円くらいお金があれば戦争スペクタクルものも作ってみたいですけど、今回は自分たちができる範囲内で、四畳半スケールの戦争映画を作ったというわけです。

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