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ダコタ・ファニングが子役から脱皮! 注目のGW映画『17歳のエンディングノート』

17main.jpg(C) 2012 Blueprint Pictures (Now) Limited, BBC and The British Film Institute. All Rights Reserved.

 いよいよゴールデンウィークに突入する今週末、配給各社もかき入れ時とばかりに力作や話題作を一気に公開。その中から今回は、それぞれジャンルを踏襲しながらも新味を加えた洋画3本を紹介したい。

 4月26日に封切られる『アイアンマン3』(2D/3D上映)は、ロバート・ダウニー・Jr.主演のアメコミヒーロー・アクションシリーズ第3作。人類滅亡の危機を救ったヒーローチーム「アベンジャーズ」の戦いから1年、トニー(ダウニー・Jr.)はトラウマに苦しみながら新型アイアンマンスーツの開発に没頭していた。トニーの公私のパートナーであるペッパー(グウィネス・パルトロウ)には、トニーに恨みを抱く研究者キリアン(ガイ・ピアース)が接近する。そんな時、謎のテロリスト・マンダリン(ベン・キングズレー)率いる悪の組織が米国家を相手に攻撃開始。標的になったトニーも襲撃され、開発拠点の自宅を多数のアイアンマンスーツもろとも失ってしまう。

 『アベンジャーズ』(12)を含めるとアイアンマン役で4度目の登板となるロバート・ダウニー・Jr.は、社交的で軽薄なところもあるトニーがPTSDで苦悩するさまや、挫折と喪失の後、他者とのかかわりを通じて人間的に成長する姿を熱演。アイアンマンスーツもさらに進化し、単にトニーが装着して戦うだけでなく、別の人間を守ったり閉じこめたり、あるいは中身不在のままリモコンで操作したりと、観客をあっと驚かせる仕掛けが満載だ。監督は『キスキス,バンバン』(05)のシェーン・ブラックにバトンタッチしたが、前2作でメガホンを取ったジョン・ファブローも引き続き運転手ハッピー役で笑いを誘う。「トニー・スターク“最後”の戦い」と謳われる本作、シリーズは本当に完結してしまうのか、15年に公開予定の『アベンジャーズ2(仮題)』にはどうつながるのか。エンドロールの最後まで目が離せない。

 同じく4月26日公開の『ジャッキー・コーガン』(R15+)は、ブラッド・ピットが現代のクールな殺し屋を演じるスタイリッシュなクライムサスペンス。ニューオリンズの街で、犯罪組織が運営する賭場から大金が強奪される事件が発生。支配人マーキー(レイ・リオッタ)に罪をかぶせようとする地元の悪党3人の仕業だったが、組織は事態収拾のため外部から凄腕の殺し屋ジャッキー(ピット)を雇う。「優しく殺す」がモットーのジャッキーは、感情を表に出さず独特の流儀で、事件にかかわった男たちを1人また1人と始末していく。

 ブラピが立ち上げた「プランBエンターテインメント」の製作の下、『ジェシー・ジェームズの暗殺』(07)でもタッグを組んだアンドリュー・ドミニクが監督。スローモーションを多用して優雅にソフトに魅せる殺しのシーンや、オバマ大統領が演説で語る国の理想と現代の裏社会に生きる人々の現実をシニカルに対比させる構成など、従来のクライムドラマの枠にはまらない演出が印象に残る。圧倒的な存在感、無駄のない所作、冷徹な口調で新時代の殺し屋を創造したブラピはもちろん、リチャード・ジェンキンス、サム・シェパードら渋いキャストの演技も味わい深い。

 3本目の『17歳のエンディングノート』(4月27日公開)は、ダコタ・ファニングが余命を宣告された少女を演じる英国発の切ない恋愛ドラマ。十代前半で白血病を発症し引きこもり生活を送ってきたテッサは、17歳で余命わずかと医者から告げられる。仕事を辞めて治療法探しにのめり込む父親や現実を受け止められない母親をよそに、テッサは「お酒を飲む」「セックス」など危険な「やることリスト」を作成し、残りの人生を精いっぱい生きようと決意。そんな折、隣に引っ越してきた青年アダムに恋をしたことから、テッサは外の世界を体験し、生きることの意味を考え直していく。

 監督は『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』(13)の脚本を書いたオル・パーカー、アダム役は『戦火の馬』(11)でスティーブン・スピルバーグ監督から主役に抜擢されたジェレミー・アーバイン。かつての天才子役、ダコタ・ファニングも現在19歳に。最近は『トワイライト』シリーズのバンパイア、『ランナウェイズ』(11)のロックスターなどある意味コスプレ的な役どころが続いていたが、今回は白血病患者の役ということでショートヘアにごく薄めのメイクと、少女から大人の女性に変わるハイティーンの素顔がスクリーンに瑞々しく映し出される。死を前にして苦しみながらも、恋を経験して生を実感するヒロインを繊細に演じきったダコタを堪能できる一本だ。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『アイアンマン3』作品情報
<http://eiga.com/movie/57266/>

『ジャッキー・コーガン』作品情報
<http://eiga.com/movie/77848/>

『17歳のエンディングノート』作品情報
<http://eiga.com/movie/78030/>

最終更新:2013/04/26 21:00
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