トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > カルチャー > 映画  > ダニエル・デイ=ルイスの迫真の映画にビビッ! 単なる偉人の伝記映画にとどまらない『リンカーン』

ダニエル・デイ=ルイスの迫真の映画にビビッ! 単なる偉人の伝記映画にとどまらない『リンカーン』

0004392.jpg(c) 2012 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION and
DREAMWORKS II DISTRIBUTION CO., LLC

 今週紹介する新作映画は、ベテラン俳優の演技とキャラクターをたっぷり味わえる2本。年輪を重ねてなお輝きを増す、ハリウッドスターの魅力を満喫したい。

 4月19日に封切られる『リンカーン』は、スティーブン・スピルバーグ監督、ダニエル・デイ=ルイス主演で、米国第16代大統領エイブラハム・リンカーンの人生を描いた歴史ドラマ。「すべての人間は自由であるべき」という高い理想を掲げ、大統領に就任したリンカーン。だが、奴隷解放運動を推進したことで南部6州の合衆国離脱を招き、南北戦争で国が2つに割れる危機に直面する。リンカーンは奴隷制を永久に禁止する憲法修正を目指すが、議会では奴隷制廃止を取り下げて北軍と停戦すべしとする声も高まっていた。


 何よりもまず、ダニエル・デイ=ルイスの魂がこもった演技に引き込まれてしまう。本作でアカデミー賞史上初となる3度目の主演男優賞を受賞。感情を抑えながらも強い意志がにじみ出る表情、有名な演説に通じるシンプルで力強いセリフの数々に、まさに歴史が動く場面を目撃しているかのような興奮を覚える。映像面でも、困難に直面するリンカーンの葛藤と孤独を表す漆黒の影が印象的。単なる偉人の伝記映画にとどまらず、信念を貫くことの意義、憎しみを乗り越えて平和を求めることの大切さを描くメッセージ性の強い作品でもある。

 続いて4月27日公開の『ラストスタンド』は、2003~11年まで米カリフォルニア州知事を務めたアーノルド・シュワルツェネッガーが俳優復帰後、初めて主演したアクション大作。かつてロサンゼルス市警の敏腕刑事として活躍したレイは、今ではメキシコとの国境に近い静かな田舎町で保安官を務め、引退同然の暮らしを送っていた。だがある日、警官殺しの凶悪犯が逃走し町に向かっているとの連絡を受け、警察やFBIの応援も間に合わないと知ったレイは、戦闘経験のない部下や町の仲間、銃器オタクら即席チームで武装集団を迎え撃つ。

 シュワルツェネッガーは過去数年の間にも、『ターミネーター4』(09)のデジタル合成によるカメオ出演や、『エクスペンダブルズ』シリーズでのワンポイントリリーフ的な登場でアクション映画ファンを喜ばせてきたが、ついに主役で完全復活。1947年生まれ、現在65歳のシュワちゃんが引退目前の老保安官を演じることである種のおかしみが生まれ、老体にむち打ってカーアクションや肉弾戦に奮闘する姿に思わず声援を送ってしまうはず。『グッド・バッド・ウィアード』(08)などで知られる韓国のキム・ジウン監督のハリウッド進出作でもある。最新のスポーツカーやハイテク武器を駆使した今風の派手なアクションと、西部劇のオールドファッションなヒーロー像を巧みに融合させたことで、幅広い世代が盛り上がれる娯楽作となっている。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『リンカーン』作品情報
<http://eiga.com/movie/77491/>

『ラストスタンド』作品情報
<http://eiga.com/movie/57827/>

最終更新:2013/04/19 20:00
ページ上部へ戻る

配給映画