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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.219

19世紀末のロンドンで起きた“セックス革命”! 世界初の電動バイブ開発秘話『ヒステリア』

hysteria3.jpg「電動ほこり払い機」を試作中のエドモント(ルパート・エヴェレット)。
世紀の発明は思いがけないところから生まれた。

 でもって、見逃しちゃいけないのがエンディングパート。グランビルの恋の行方を描いた後は、1988年にグランビルが特許を取った電動バイブレーターがどのように進化していったのか追っていく。20世紀になると婦人向け雑誌に「ポータブル・リラクゼーション」という名称で広告が次々と掲載されるようになる。“大人のおもちゃ”としてではなく、当時はあくまでも美容・健康促進を謳い文句に売られていたわけだ。かくして電動バイブレーターは多くの家庭へと普及していき、女性たちは病院に通わずに済むようになった。ヒステリーという概念も医学界からやがて消えていくことになる。

 バイブレーターにこんな歴史が秘められていたとは実に感慨深い。女性たちを潤してきた様々な名機がエンディングで紹介される中、1970年代に販売が始まり世界的な人気商品となった日立のハンディマッサージャーも登場する。“バイブレーター界のキャデラック”と呼ばれている一大ロングセラー商品だ。そういえば、これと同じタイプのヤツ、実家にも置いてあったなぁ。古い知人に思いがけない場所でばったり出くわしたようで、ちょっとシミジミしました。
(文=長野辰次)

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『ヒステリア』
監督/ターニャ・ウェクスラー 出演/ヒュー・ダンシー、マギー・ギレンホール、ジョナサン・プライス、フェリシティ・ジョーンズ、ルパート・エヴェレット、アシュレー・ジェンセン、シェリダン・スミス 
配給/彩プロ PG-12 4月20日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、有楽町スバル座、シネマート新宿ほか全国順次公開 
(C)2010 Hysteria Films Limited, Arte France Cinema and By Alternative Pictures S.A.R.L.(C)LIAM DANIEL2(C)RICALD VAZ PALMA
<http://hysteria.ayapro.ne.jp>

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