年収激減時代、主要1300社の給料はいくら!? 日本の平均賃金は10年以上下落
#アベノミクス
サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。
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年収激減時代、主要1300社の給料はいくら!? 日本の平均賃金は10年以上下落 – Business Journal(4月14日)
毎日の仕事に忙殺されて雑誌を読む間もないビジネスマン必読! 2大週刊経済誌「週刊東洋経済」(東洋経済新報社)と「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)の中から、今回は「週刊東洋経済」の特集をピックアップし、最新の経済動向を紹介します。
「週刊東洋経済 4/6号」の第一特集は『給料大格差時代』。「賃上げ狂騒曲を尻目に確実に進む給与の二極化。年収が増えるのはほんの一握り、圧倒的多数は年収激減となる『大格差時代』が始まった」という特集だ。
かつての日本の大企業における年功序列の給与体系、正社員であれば定期昇給とベースアップで毎年着実に給与が上がった。この年功序列の給与体系は、1990年代後半に崩れ始めた。08年のリーマンショックや11年の東日本大震災を経て、崩壊スピードはさらに加速。日本の平均賃金は10年以上にわたって下落。ベアはおろか定昇すらままならないのが日本企業の現状だ。
今年の春闘では安倍晋三首相からの異例の要請もあり、賃上げが相次いだが、その中身はといえば一時金での対応ばかりで、本来的な賃上げであるベアの獲得はごく少数だった。
『PART1 広がる給与格差』では、記事『40歳で格差2倍も オリックスの人事改革』のように昇格と一時金で大きな差が出ている現状と中小企業の給与激減の惨状を紹介している。
『<独自試算>主要1300社 40歳年収ランキング』では、33業種別 業界平均年収をランキングし、『PART2 賃上げ狂騒曲の虚実』でなぜ賃金は上がりにくいのか? 4つの構造問題(グローバル化、機械との競争、非正規の増加、資源高騰)のアプローチで解説している。
今回のポイントは、多くのサラリーマンにとって賞与・一時金がほぼゼロ時代になっているということだ。「厚生年金事業年報」によれば、男性社員の10人に4人が賞与ゼロか年合計30万円以下だという。それまで「賞与額が年30万~90万円の中間層だった男性社員が、年30万円以下に転落した」のだ。さらに女性社員となると、ほぼ3分の1が賞与ゼロ。「2003年度と11年度を比べると、賞与ゼロの女性が激増する」のだ。
特集では「これらの数字の変化からある夫婦像が浮かび上がる。リストラや倒産で夫が正社員から非正規に転落。年収激減を受けて、妻が派遣として働きに出る。派遣なので妻の賞与はゼロ、契約社員やパートになった夫の賞与はごくわずかというワーキングプア夫婦が増えているのではないか」という。 2000年代後半からフリーライターになった私はフリーになってから賞与じたいがないために、「賞与がほぼゼロ」という点を問題視している今回の特集アプローチにいまさら感がある。ひょっとして東洋経済はめぐまれた待遇なのではないかと邪推してしまうが、『<独自試算>主要1300社 40歳年収ランキング』のなかに、「週刊東洋経済」の発行元東洋経済新報社も、ライバル社ダイヤモンド社も取り上げていないのが残念だ。
今週はライバル誌「週刊ダイヤモンド 4/6号」の特集も『給料は上がるのか? 安倍マジックのタネ明かし』と給料に関する特集だった。安倍政権の経済政策、いわゆる「アベノミクス」を徹底検証しつつ、「では実際に給料が上がるのか」という一番重要な問題を検討している。その答えは現状は、業績のいい企業から賃上げが始まっているだけ。円安への大転換で企業業績が回復に向かったとしても一般的な企業で賃金に反映されるのは3年後の2015年度になるというものだった。
ダイヤモンドの結論に東洋経済の結論をあわせれば、「2015年には給料が上がった」としてもさらに「賞与が減ってしまう」ので、生活は楽にならないのではないか!? ということになる。さらにその頃には生活を苦しめる値上げが加速しているのではないか……。
値上げに関しては次号「週刊東洋経済 4/13号」特集『脱デフレの処方箋 良い値上げ 悪い値上げ』で迫っているようなので期待したい。
(文=松井克明/CFP)
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