「蟹蟹蟹蟹……」なんてどうかしてるぜ! SAN値がみるみる減少『あいうら』
#アニメ #週刊アニメ時評
●『あいうら』
今期最大の問題作というか、見ているこちらがどうリアクションを取ればいいのかまったく分からなくて、じわじわとSAN値が下がっていくのが『あいうら』だ。スライドショー形式で画像を連続表示するサービス「ニコニコ静画」や「4コマnanoエース」(角川書店)で連載中の本作は、女子高校生たちの日常を描く4コマ漫画であり、アニメ版も原作のテイストを生かしたほんわか日常系アニメに仕上がっている。ここまで聞いて、「普通の日常系アニメか」と思うなかれ。
アニメ版『あいうら』の本当のヤバさは、メインヒロインを演じる中島唯、飯田友子、田村奈央が歌うオープニングテーマ&エンディングテーマにあるのだ! オープニングテーマ「カニ☆Do-Luck!」は、ハイテンションなサウンドに乗せて「蟹蟹蟹蟹!」と、蟹の味わいについて歌ういわゆる電波ソング。それに乗せて、実写映像の「蟹」やアンディー・ウォーホル調にデザインされた「蟹」、画面を覆う無数の「蟹」の文字などが速いテンポで次々と切り替わるのだ。「蟹」がゲシュタルト崩壊しそうである。もちろん本編に蟹は一切絡んでこない。
一方、エンディングテーマ「いちごいちえ」は、パンク調のバンドサウンドをバックにパラパラ漫画の棒人間が猛ダッシュする動画に、飛行機やイカ、セミ、フンコロガシなどの映像がオーバーラップするというまったく持って意味不明なもの。オープニングとエンディングのどちらも、音声を消して映像だけ見ていると、そこはかとない不安感にかられるのは僕だけですか? 強烈なインパクトの主題歌とまったりムードの本編のギャップは、一見の価値ありだ。
という感じで、今期もいい感じに「どうかしちゃってるアニメ」が放送されてうれしい限り。突き抜けたマイ・ワールドを持つアニメを見て、ぜひ読者諸兄も煙に巻かれてはいかがだろうか!?
(文=龍崎珠樹)
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