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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 韓国系カルトを逆勧誘
「カルトなニッポン見聞録」第7回

偽装勧誘する韓国系カルトの人を勧誘してみた

──さっきヨハン岡山キリスト教会は団体名を名乗って勧誘していると言っていましたが、岡山大学の人にいま聞いたら、名乗ってないと言ってましたよ。

「そんなことないです。名乗っています」

──ヨハン早稲田キリスト教会が、団体名を隠して勧誘していることも、私自身が直接取材で確認しています。

「東京(の早稲田教会)は人がたくさんいるので、個人がそういうことをしていても教会にはわからないです。それは個人の問題です」

──個人であっても、ヨハンに人を誘っているわけですよね。ヨハン教会は、信者の指導もできない無責任な教会だということになりますが。

「ただ、私たちは本当のキリスト教を広めるために活動しているので、カルトとは違います」

 問題は、「本当のキリスト教」であるかどうかではありません。正体を隠して相手を騙していることが問題なのです。偽装勧誘をするのが「本当のキリスト教」なのであれば、むしろキリスト教はまるごとカルトだという話になってしまうのですが。

■すんごい抗議が来た

 とにもかくにも、大学生を偽装勧誘するカルト団体の人を、こちらが勧誘することに成功しました。というわけで、私は「やや日刊カルト新聞」で「本紙記者らがヨハン教会信者の勧誘に成功!」という記事を書いて掲載しました。

 記事を載せてしばらくたってから、ヨハン岡山キリスト教会の代表者が、すごい剣幕で私に電話をかけてきました。

「なぜ勧誘に成功したなんて、まるであなた方が私たちに勝利したかのような記事を書くんですか! やめてください!」

──勧誘に成功したのは事実ですし。別に勝利したなんて書いてませんが。

「私たちは自分の意思でシンポジウムに行ったのです。あなたから誘われて、それで自分の意思で行きました」

──いやだから、僕に誘われて来たんだから勧誘されたということでしょう。

 どうもヨハン教会の人たちにとって「勧誘」とは相手の意思に反して行うものであり、勧誘に成功するというのは相手に「勝利」することのようです。日頃の彼らが、どういう姿勢で勧誘活動をしているのか、よくわかります。

「とにかく、今後こういうことのないように気をつけてください!」

──記事にはなんの問題もないので、今後も特に何も気をつける気はありません。これからも同じように、あなた方のことを記事にしたいです。

「どうしてですか! おかしいです! 私たちはただイエスの教えを伝えているだけで………」

 とにかくもう話が通じない上に、狂ったような金切り声でまくし立ててきます。面倒くさくなって、こちらから一方的に電話を切りました。

 また何か機会があったら、ヨハン教会の人を勧誘しにいこうと思います。

「カルトなニッポン見聞録」過去記事はこちらから

●ふじくら・よしろう
1974年生まれ。東京出身。0型の乙女座。宗教やスピリチュアル団体をめぐる「カルト問題」を取材するフリーライター。ニュースサイト「やや日刊カルト新聞(http://dailycult.blogspot.jp/)」主筆。著書に『「カルト宗教」取材したらこうだった』(宝島社新書)。

最終更新:2013/04/17 18:16
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