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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 韓国系カルトを逆勧誘
「カルトなニッポン見聞録」第7回

偽装勧誘する韓国系カルトの人を勧誘してみた

■偽装勧誘カルトを勧誘してみた

 カルト問題に取り組む弁護士やカウンセラー、宗教者や研究者でつくる「日本脱カルト協会(JSCPR)」という団体があります。この団体でも、大学におけるカルト問題は問題視されており、2012年6月には岡山で同協会主催の公開講座「大学でカルトに入った私たち」が開催されました。大学生時代にカルトに入信した経験を持つ脱会者たちが自らの体験を語る、というものです。

 実はこの公開講座の会場から徒歩5分ほどのところに、ヨハン教会の支部である「ヨハン岡山キリスト教会」がありました。同教会もまた、地元岡山の大学で団体名を明示しない勧誘活動を行っています。

 そんな団体の拠点のすぐそばで日本脱カルト協会が「キャンパス・カルト」に関する公開講座を行うとは、まさに神のお導き。ヨハン教会の関係者を公開講座に勧誘せよ、との啓示だと考えた私は、公開講座が始まる前にヨハン岡山キリスト教会に行ってみました。代表者は不在とのことで、女性信者が対応してくれました。

──今日これから、大学でのカルト問題をテーマにした公開講座があるのですが、全国の大学で問題視されている団体としてコメントください。

「ぶしつけですね。私たちは本当の聖書の教えを伝える教会で、カルトではありません」

──ぶしつけですいません。たまたま会場の近くに教会があったので、もののついでに寄りました。教えが本当かどうかはどうでもいいのですが、団体名を名乗らずに大学生を勧誘したり大学に無届けで教室を使って演奏をしたりしていて、全国の大学で問題視されています。

「私たちは、教会であること、クリスチャンであることはちゃんと言っています」

──ヨハン教会だと、きちんと名乗っていますか?

「名乗っています。チラシにもきちんと書いています」

 後で岡山大学の関係者に確認したところ、信者のこの説明は大ウソでした。

「ゴスペルコンサートがあるとか、韓国料理を作るサークルだなどと言って学内で勧誘していて、ヨハン教会だとは名乗っていません。大学側が彼らの勧誘を見かけたら、すぐ追い出すようにしています」(岡山大学の関係者)

 それはそれとして、本題の勧誘です。

──もしよかったら、これから公開講座があるので、それに来ていただければ大学のカルト問題がどういうものかわかると思います。

「代表はいま人と会いながら食事中なので、伝えておきます」

■来てくれた!

 日本脱カルト協会の公開講座では統一教会、摂理(MS教)、浄土真宗親鸞会の脱会者たちが、カルトの勧誘手口、カルト入信時代の活動、そこで得たものや失ったものなどについて、かなり具体的で率直な内容が語られました。いずれも正体を隠した勧誘によって入信した人々でした。

 終了後、受付付近で知人たちに挨拶をしていたところ、2人組の女性が私に声をかけてきました。先ほどのヨハン岡山キリスト教会の女性信者と、岡山教会代表者の韓国人女性です。どうやら、私の勧誘に乗って本当に来てくれたようでした。

──来てくださったんですね、ありがとうございます。

「いいイベントでした。最後は、宗教は必要だという結論でしたね」

 公開講座では、フロアからの「宗教は必要か」という質問に対して、出演者が「自分には必要」「自分には必要ないが、必要とする人がいるのはいいと思う」と答えていました。いずれも「人による」という文脈なのですが、ヨハン教会の人たちは自分に都合のいい部分しか耳に入らなかったようです。

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